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長瀬智也主演『空飛ぶタイヤ』本木克英監督インタビュー

2018年06月21日 21:00 by 筒井あや

池井戸潤作品初の映画化! 累計180万部突破の大ベストセラー「空飛ぶタイヤ」。 ある日突然起きたトレーラーの脱輪事件。それは、事故か事件か―。 豪華キャストによる世紀の大逆転エンタテインメント!第136回直木賞候補作となり、池井戸潤自ら「ぼくはこの物語から『ひとを描く』という小説の根幹を学んだ」、という程に思い入れのある原作「空飛ぶタイヤ」の映画化に、長瀬智也、ディーン・フジオカ、高橋一生をはじめとする、日本を代表するオールスターキャストが大集結!本作でメガホンを取った本木克英監督に、制作秘話や主演の長瀬智也について話を聞いた。

——この作品で監督が一番軸にしたかったことは?

本木克英監督:軸にしたかったのは、どれだけ不屈の精神で赤松(長瀬)が行動し、大企業に立ち向かって逆転劇が起こったとしても、やはり事故で亡くなった主婦の命は戻らない。そこにはどうしても立ち返らざるを得ないなと思ったので、その被害者の遺族の家に上げてもらえることを目標に作っていこうと思いました。そこが一番大事だと思っていた部分です。これを軸にすれば、赤松がどう行動しても、映画はしっかり足が地に着いたものになると思っていました。

——長い物語を2時間におさめるのは大変だったのでは?

本木克英監督:最初の編集段階では2時間40分くらいありましたが、テンポ良く観ていただけるように、それぞれのシーンを少しずつカットしたくらいです。僕自身も2時間くらいが一番観やすいので(笑)でも、削っても大意が失われないように編集していく作業は大変でした。

——その赤松を演じた長瀬智也さんと演技についてお話しされたことはありますか?

本木克英監督:
役作りに関しては、赤松は逆転劇が起きたとしても手放しでは喜べないだろうということで、長瀬さんには抑えた芝居をと話をしました。イメージは、任侠映画における高倉健さんのような、耐えて耐えて、理不尽な追及や圧力に耐え抜いて、最後に少し解消されるという感じですね。耐え抜いて勝利を勝ち取ったことで周りが喜んでも、自分(赤松)は心の底から喜べない、というような。とても難しい注文だとは思ったのですが、長瀬さんはとても素直でストレートな方なので、ご自身の自動車整備会社に勤めている友人に話を聞きに行ったりして役作りをされていたようです。

長瀬さんからの意見で、説明的な台詞はできるだけ言わないようにしたいと仰ってました。確かにこの作品としては間違っていないことだったので、台本に書かれた台詞を言うのか言わないのか毎回相談しました。そしてできるだけ言わない方向で進めました。

——赤松を支える役どころも印象的でした。

本木克英監督:主役は長瀬さんなのですが、この物語で大事なのは組織の中で矛盾や圧力を感じながらも、その組織を良くしたいと思っている人が、ちゃんといるということです。それが原作の魅力でもあるので、脇を固める役はとても大事だと思っていました。特に岸部一徳さん、笹野高史さんなど随所で腕のある俳優さんたちに出演していただいて、短い時間の中で役割をバン!と出せる方々に揃っていただきました。

——キャストがほとんど男性ということや、描かれている世界が男性社会だなと感じることもありました。そこは意識されたのでしょうか?

本木克英監督:原作もそうですし、今も大手企業の多くが男性社会から脱しきれていない。その男社会のひずみが今、出てきていて、ちょうど過渡期なのかなとも思いました。題材も舞台も、男だらけの話になるのですが、メタファー的なものとして、見た人が男女関係なくその人間性を感じていただけたらうれしいですね。男社会の方が、嫉妬とか足の引っ張り合いというか、女々しい部分も大いにある(笑)。なので男性中心の社会における問題という部分も感じてもらえればと思っています。

 

映画『空飛ぶタイヤ』は大ヒット上映中!

取材・文:筒井あや
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