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生田斗真&瑛太主演『友罪』瀬々敬久監督監督インタビュー

2018年05月23日 21:00 by 筒井あや

原作は吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞などに輝く薬丸岳のベストセラー小説「友罪」(集英社文庫刊)。犯罪の被害者と加害者に果敢に斬り込む衝撃作から、事件が二転三転するエンターテイメントまで、様々なミステリーを世に出し、高い評価と熱い支持を得ている作家が「発表する時、喜びよりも先に恐れを抱いた」と告白する問題作を、瀬々敬久監督が映画化。

主演に生田斗真、瑛太を迎え、人間存在の謎に満ちた深みへと導く、慟哭のヒューマンサスペンス。

本作でメガホンを取った、瀬々敬久監督にインタビュー

——この作品をやってみようと思ったのは、原作に惹かれた部分があったのでしょうか?

瀬々敬久監督:モチーフにされているであろう神戸連続児童殺傷事件というのは、90年代をすごく象徴していた事件だと思うんです。80年代のバブルが終わって日本が景気が悪くなって、人々が精神的なものを追い求めていった時代だと。自分自身も、すごくショックを受けた事件でした。でもこの原作は、当時というよりはその後を描いているんです。僕たちもあれからその後の時代を生きている。そういうことにおいて、事件そのものではなくて、事件から何年も経ったその後の時代と時間が描かれている原作小説だと思ったので、そこに惹かれた部分はありました。

——映画としてこの作品のどの部分を強く描きたいと思われましたか?

瀬々敬久監督:僕が焦点を当てたかったのは、益田と鈴木の関係です。鈴木はものすごく大きな罪を犯している。一方、益田はかつて少年時代にいじめに加担して友達が自殺してしまった。極端かもしれませんが、これに近いことというのは、よくあることでもあると思うんです。知らず知らずのうちに人を傷つけてしまうというのは誰にでもあり得る。この作品が興味深いのは、益田は、自分の罪と鈴木が起こした罪を同じような罪の重さだと考えている節がある。じゃあ罪の大小というのはどこで判断するのだというところも、益田自身が触れようとしているようにみえる。

僕たち一般人にとっても近くにある罪ということで言うなら、益田みたいなことは、僕たち普通の人にも敷衍できるというか、近い問題として捉えることができるのではないかと。そういう設定を一番重要視して、罪ということを考えていきたいと思ったところがありました。自分たち自身も、ひょっとしたら加害者に近いものが日常生活で起こっているんじゃないかというのが、出発点でした。被害者、加害者という部分は、あえて今回は作品に入れなかった。
ただ最終的に、鈴木自身が、自分が殺してしまった被害者に向かう、被害者のことを考えるということは、しなければいけないと思っていたので、最後に自分が犯罪を犯した場所に立ち返って、被害者のことを思う、というシーンは絶対に入れたいと思いました。


©薬丸 岳/集英社 ©2018映画「友罪」製作委員会

——生田斗真さんと瑛太さんの繊細な演技が印象に残っています。お二人について印象は?

瀬々敬久監督:二人は、対照的な人物です。生田さんは、普段からすごく気さくで普通の人。でもカメラの前に立つと、すごくオーラを発してくるというタイプの俳優さんでした。普段から日常を生きている感じを持っていらっしゃる。そういう意味では益田という人物は、どこか普通の感じを持っていないといけないので、役柄とは合っているなと思いました。方や瑛太さんは、普段からちょっと変わっているようなところがあって(笑)、話し方も独特だし、独自のペースを持っている俳優さんです。撮影ではテストから毎回違う演技をしてみて、最終的にどれがいいかという話をして本番に臨む。だからテストの段階から全力投球するタイプ。生田さんは、テストから本番に向かって徐々に芝居を作り上げて行く構築型。だからお芝居の性質もどこか違うというか。そういう二人が演じることで、独特の空気感のようなものは出てきたなと思います。

二人はこの撮影に入る前から友人関係だったようですが、撮影での待ち時間は、近い場所にいるんですけど、僕が見ていた範囲では一言も話をしていませんでした。あえて互いが互いの目線が合わないようにしているというか。それだけ本番テイクに全ての照準を合わせて芝居を作り上げようとしていたんだと思います。
クランクアップの時も、普通のクランクアップだと、どこか開放感があるんですけど、こういう映画なので今回は淡々と終わっていったという感じでした(笑)。ただ、最終日、生田さんの方が2時間ほど瑛太さんよりも先に終わったんですけど、生田さんは瑛太さんが終わるまでずっと待っていて、終わった後に二人で握手していたので、そこに友情のようなものが見えて印象的なシーンでした。

——この映画を観る若い世代の方に、どういう想いをくみ取って欲しいと思われていますか?

瀬々敬久監督:この映画は「友達」というものがキーワードになっています。「友達」という言葉は、大人になるとその言葉自体に気恥ずかしさを感じたりします。もちろん今の年齢で出会っても友達だなと思ったりするんですけど、
友達というのは、やはり中学生、高校生の時に出会った友人関係だと思うんです。友達というのは十代の頃に持っていた純粋性みたいなものと、すごく近い。
僕は罪が救えるものというのは、そういう純粋性なんじゃないかという気がしています。この映画は、中高生の方には、少しハードルが高い作品かもしれませんが、そういう人たちに観ていただくことで、新しい展開になっていったりするとうれしいなと思います。

 

映画『友罪』は、5/25(金)全国ロードショー

 

取材・文:筒井あや
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