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5/11(金)公開『ラブ×ドック』初監督を務めた鈴木おさむ&映画単独初主演・吉田羊 インタビュー

2018年05月11日 21:00 by 筒井あや

大人気放送作家鈴木おさむが初監督を手がけた映画『ラブ×ドック』。「いくつになっても恋をしたい!」「毎日を楽しみたい!」でも理想と現実が噛み合ない……そんな大人の恋愛を、遺伝子レベルで導く大人のラブコメが誕生した。本作が映画単独初主演となった福岡出身のこれまた大人気女優・吉田羊。二人がタッグを組んで、大人が楽しめる、大人のための恋愛物語を描き出した。

本作で初監督をつとめた鈴木おさむと主演の吉田羊にインタビュー。

——今回のオムニバスのような恋愛ドラマの構想は最初からあったのですか?

鈴木おさむ:僕自身がバラエティーの出身ですが、バラエティーはテンポも速いし、みんな飽きっぽいし、いつも視聴率を意識して作るから、自分の中で2時間かけてひとつの恋愛をじっくり作る自信がないんですよね(笑)。だから最初から、一人の人生の中で3つくらい恋を見せて、その中で構成を面白く作りたいなというのがありました。一人の人生でも色んな恋をすると思います。恋愛って感情移入できないと2時間観るのってキツいですよね(笑)。でも3つあればどれか観る人が自分にフィットするものを見つけられるんじゃないと。

——吉田さんは、3タイプの恋愛を劇中で演じられていますが、ご自身にフィットするものはありましたか?

吉田羊:3つの恋の中で、一番気持ちがリンクしたのは、年上の淡井さん(吉田鋼太郎)との恋です。経験値から来る大人の余裕、相手を喜ばせるための引き出し、ホントにあの手この手で来るので「次にこの人は何を言うんだろう?」とすごく興味もわきましたし、仕事のパートナーとしても常に励ましてくれる。私は何よりも人生にはユーモアが必要だと思っているんですけど、あの歯の浮くような台詞を恥ずかしげも無く、しかも説得力を持って真顔で言える人は年上のちょっと調子のいい感じの人しかいないと思うんです(笑)。なのでああいう人と一緒になったら幸せになれそうだなと思いました。

——キャスティングはどのように考えられたのでしょう?

鈴木おさむ:こういう恋愛作品を作りたいと思った時に、一番大事にしたのはリアルに結婚していない大人の女性ですね。独身であることは僕の中で大事だったんです。例えばその女優さんが、プライベートで幸せそうに結婚の風景をインスタに上げてるじゃん、ってなると観る人は感情移入できないと思うんです。それにやっぱり僕はコメディーを作りたいので、シリアスな大人の演技からコメディーまで幅広く演じられる女優さんがいいと考えた時に、吉田羊さんだなと思いました。
その上で、お相手の3人の男性を考えた時に、一人目は年上の男性は最初から吉田鋼太郎さんがイメージにありました。二人目はNHKの朝ドラ「あさが来た」を育休中にずっと観ていて、玉木宏さんって面白い俳優さんだなと思っていたので、ダメ元でお願いしたら受けてくださいました。三人目の年下の男の子には、プライベート等ではちょっとやんちゃなイメージがある野村周平くんが、ピュアな年下の男の子を演じるところを観てみたいと思ったんです。いずれもそうですが、ご本人が持っているイメージとのギャップが描ける俳優さんにお願いしたかった。あとは大久保佳代子さんですね。彼女の役が一番悩みました。綺麗な女優さんも良かったのですが、そうするとどうしてもリアリティがなくなる。僕が作って来た作品のひとつの大きなテーマはコンプレックスです。もちろんこの作品にもそれは必要だったので、吉田羊さんの親友の役がとても大事でした。大久保さんはお芝居の経験もある方ですし、バラエティーでもよくご一緒しているので、雰囲気はわかっていましたから、名前が挙がった時に、一番ピンときましたね。この作品は大久保さんの存在がとても大事な役どころなので。

——吉田さんは出来上がった作品を観ていかがでしたか?

吉田羊:アラフォーの恋愛はややもするとイタいと思われがちですが、それを見事に「ラブドック」というファンタジーに包んで、きちんとエンターテイメントに仕上げているのは、おさむさんならではの手法だなと思いました。それに役者たちは本気で演じているので、リアル過ぎると引いちゃうんですよ。それをコメディーに変換することで、最後まで笑い飛ばして観られたのは良かったですね。

——今、恋愛映画というと10代のキラキラした作品が主流です。その中で大人の恋愛映画を描こうと思ったのは?

鈴木おさむ:僕は恋愛ものが大好きで、バラエティーでも作らせてもらっていますが、その時にも主流で描かれているものの方向を少しずらすことができたらと思っています。今回もそうで、10代のキラキラ恋愛ムービーが流行りだしてすでに10年は経っています。10代の頃にそういう映画を観ていた人が、今、20代後半〜30代になろうとしている。そういう人はもうキラキラ恋愛ムービーは観られないと思うんです。勝手な想像ですが、20代後半〜30代以上の人って、もうワンステップ上がったものを求めているんじゃないかと思うんです。そろそろ日本もそういう大人の恋愛映画が始まってもいいだろうと。そこを吉田羊さんが演じることで、大人の世代の人が観たいと思ってくれるのかなと。予想ですけどね(笑)。でもその可能性はあると思うので、これをスタートにそういう作品がたくさん出てきたらいいなと思います。

——日本のではなかなか大人の恋愛映画がないですね。

吉田羊:そうなんですよ。ないから、だったらもう観なくていいやって思っちゃいますよね。でもそう思いながらも、大人だってドキドキすることはあるし、恋したいなと思っている。でも大人だからそんなことは言えないなと思ってる。そういう人たちが、恋したいって言っていいんだ、もう一回恋してもいいんだって、思ってもらえたらいいなと思います。

——吉田さんは単独初主演でしたが、いかがでしたか?

吉田羊:むしろ主演の方がみなさんに助けていただいているなと感じます。私はどの作品に入る時にも一度リセットして入っているので、今与えられている仕事に全力を尽くすという気持ちでやっています。今回は、たまたま主演の話をいただいただけ、という気持ちでやらないとすぐに天狗になっちゃうような気がするので(笑)。それに今回は監督も初監督だったので、お互いに頑張りましょうねという雰囲気で入れたのも良かったのかなと思います。

 

『ラブ×ドック』は5/11(金)全国ロードショー

 

 

取材・文:筒井あや
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