グルメ | 新店舗オープン

オールマイティにジビエを使い、魅力的な料理へと昇華させる

2018年04月05日 12:00 by 木下 貴子

気にしないと通り過ぎてしまうほど狭い幅、獣道のような大名の裏路地。しかし、大名ツウならばご存知のはずです。昔からこの路地には、小さいながらも個性的で粒ぞろいの店が集まっていることを。

その路地とは、大名紺屋町通りの「餃子のテムジン」のすぐ隣。路地というか、ここに建つ長屋の敷地でしょうか? とにかく自転車も通れないほどの細さです。


今回の目的地『ニコ・アパルトマン』(以下『ニコ』)は、長屋の中間あたりにオープンしました。1月のプレオープン時から目を付けていましたが、3月半ばにメニューを固めてグランドオープンすると聞きつけでそれまで我慢。待ちに待った訪問です。


扉を開くと、カウンター席とオープンキッチン。照明を落としやや暗めでラスティックな空間は、以前からずっとこの場所にあったかのような落ち着いた雰囲気です。


2階のテーブル席も同様の雰囲気で、ゆっくり腰を据えて過ごせそそうです。なんでも、マタギの小屋をイメージしてデザインされたとか。



なぜマタギかというと、こちら『ニコ』はジビエ専門のビストロで、 昨年11月に警固にオープンした焼ジビエ専門店「罠」の姉妹店なのです。「罠」と同じく北は北海道から南は九州まで国内で狩ったジビエを素材に、様々な料理を提供します。



「『罠』はダイレクトにジビエの美味しさを知っていただく店ですが、『ニコ』ではジビエの可能性をお伝えしたい」とシェフの樋口裕一さん。メニューにはジビエを使った料理が数多く揃います。ジビエって冬場限定で、品数もあまりないと思い込んでいただけに、こんな料理も?あんな料理もできるの?と驚かされます。また、『ニコ』は東京でも展開されているビストロですが、「福岡は食材に恵まれた土地なので、せっかくならば福岡ならではのメニューを出したい」と、糸島野菜など地元産の食材も存分に取り入れられています。

ジビエというだけでも珍しいのに、どれも魅力的でチョイスに迷うので、オススメを作ってもらうことにしました。
最初に登場してきたのは、「自家製ジビエシャルキュトリー盛り合わせ」(5点1,598円)。野性感じるワイルドな色味と美しい仕上がりで、非常にそそられます。


それでは手前真ん中から時計回りに食していきましょう。「蝦夷鹿のサラミ」と「真鴨の燻製」は、いずれも肉の旨味が強く、しかし後味さっぱりの印象。「兎のガランティーヌ」は外側はハムのような味と食感、中のミンチはやわらかく上品な味わい。「スパイス漬けの猪のハム」「猪のパテ・ド・カンパーニュ」はいずれも味わい深くほんのりした甘さが口に広がります。
「自家製ジビエシャルキュトリー盛り合わせ」は3点1,058円もあり、3点も5点も内容は日替わりです。

「本日のジビエソーセージ」(810円)。この日はイノシシ肉をミンチにして、さらに猪豚の胃袋を加えた「ジビエモツソーセージ」。モツのコリコリ感がたまりません。そのほかにも日替わりで猪ハーブソーセージ、兎のソーセージなど。それにしてもジビエということを差し引いてもなかなかレアなソーセージ。聞けば、樋口シェフはフレンチレストランを中心にこの道20年以上のベテランシェフ。なるほど、納得。添えられた白菜のブレゼも秀逸です!


このソーセージ、写真では分かりにくいかもしれませんが150gとかなりのボリュームなんです。

すでにお腹は膨れ上がりましたが、もう一品お願いすると、すごいのが出でてきました!「寝かせキジの炭火焼 ポロ葱フライとグリーンマスタード」。


野菜とともに一晩漬けこんだキジだけに、艶やかな焼き上がり。フォトジェニック!


ムネ、モモ、手羽などいろいろな部位が楽しめます。そしてそのお味は、深い…。甘味も旨味も濃厚で、飲みこんだ後もしばらく余韻が残るほど。「キジ自体、奥行きがある食材なんです。だから出汁もよくとれるんですよ」と樋口さん。キジは滋養たっぷりと聞いたことがありますが、とても力強さを感じます。写真は半羽3,002円、1/4羽もありそちらは1,706円です。


メインはほかに「蝦夷鹿ガーリックステーキ」(1,274円)、「兎のムニエル」(1,350円)、「真鴨のロースト」(1,490円)など。レストランにも匹敵する内容と味で勝負しながら、全体的に非常に手頃な価格帯。「ジビエ=フレンチというイメージが強く、また価格も特別と思われがちですが、それを払しょくできれば。日常的にジビエを楽しむような食文化を浸透させたいと、僕らは思っています」。

『罠』でジビエの魅力と素質に開眼しましたが、ここでまた再びジビエの素質に開眼! 樋口さんは、今後もどんどんメニューを増やしていくとも話します。『ニコ』が切り拓くジビエ料理の可能性に、目が離せません!

取材・文:木下 貴子
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プレイス情報PLACE

Nico Appartement(ニコ・アパルトマン)

住所 福岡市中央区大名1丁目11-29 3号室
TEL 092-734-2266
営業時間 17:30~翌1:30(土日祝日16:30~24:30)
定休日 月曜
URL http://yumemania.jp/2018/02/07/nicoappartementopen/
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