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二代目松本白鸚、十代目松本幸四郎が「六月博多座大歌舞伎」で襲名披露公演を開催!

※このイベントは2018年6月26日(火)をもって終了しました。

2018年03月30日 17:00 by 筒井あや

今年、1〜2月に東京・歌舞伎座で、松本幸四郎改め二代目松本白鸚、市川染五郎改め十代目松本幸四郎、松本金太郎改め八代目市川染五郎の親子三代での襲名披露興行を行った。そして「六月博多座大歌舞伎」では、二代目松本白鸚、十代目松本幸四郎の襲名披露を開催。見どころのひとつは、十代目松本幸四郎の「伊達の十役」。本作は、2015年に市川染五郎の名で博多座にて上演した際に、早替わりの見事さはもちろん熱い芝居が話題となり、連日盛況が続いた名作。

今回昼の部では十代目松本幸四郎による「伊達の十役」、夜の部は二代目松本白鸚の襲名狂言「魚屋宗五郎」、幸四郎の襲名狂言『春興鏡獅子』など、見応えのある演目が揃っている。

博多座での襲名披露興行について、二代目松本白鸚、十代目松本幸四郎にインタビュー

——まずは博多座公演にあたって一言

松本白鸚:博多座には歌舞伎公演では7年前に、以後も「ラ・マンチャの男」「アマデウス」などで度々来させてもらい、楽しい良い思い出がたくさんあります。今回は襲名披露興行で伺うことができ楽しみです。1月2月に東京・歌舞伎座で私と息子と孫の3人で襲名をさせていただきましたが、まさか博多座で息子の十代目松本幸四郎と共に襲名興行ができようなんて、考えておりませんでした。それが実現できて、奇跡のような感じがいたします。
2年くらい前から襲名の準備はしておりまして、その時に、今度の襲名は奇跡に近いなと思っておりましたが、1~2月の歌舞伎座での襲名が終わった後、いや、そうではないと。奇跡というのはただ手をこまねいて待っているのではなく、奇跡は起こすんだと。歌舞伎を愛する芝居を愛するみなさん方がこの奇跡を起こしてくださったのだなという気持ちに変わりました。その気持ちを持ち続けて、6月の博多座に伺いたいと思います。

松本幸四郎:今年の1月に十代目松本幸四郎を、父、そして息子と共に三代で同時に襲名披露興行をさせていただきました。その歌舞伎座を皮切りに、4月に御園座、6月に博多座でも襲名披露が行え、うれしく思っています。博多は、母の出身地でもあり、私にとっては第2の故郷です。全国色んな場所に歌舞伎の公演で伺いますが、博多は僕の中では特別な場所なのでうれしい限りです。
食べる物も…特に子供の頃からお菓子が好きで「鶴の子」「松露饅頭」「鶏卵素麺」、そして今の時期にいたっては「鈴懸」さんの苺大福…日本で一番美味しい苺大福だと思っています(笑)。
そういうこともあり、博多に来ること自体も楽しみですが、今回の襲名披露興行は、前回博多座で上演した「伊達の十役」を襲名披露興行の演目としてご披露させていただくこととなりました。この作品は博多座という劇場があるからこそ、できた作品です。だからこそ特別な思いがあります。そして夜の部では「鏡獅子」を踊らせていただきます。いずれの演目も僕自身にとって思い入れ、また思い出など色んな思いがこもった演目です。博多座で襲名披露興行ができることに感謝をして、その気持ちを込めてご披露させていただきます。

——それぞれに、これまで名乗ってきた名前をご子息にお譲りになられましたが、譲った名前に対する思いと、その名前を受け継ぐご子息に期待することはありますか?

松本白鸚:確かに襲名というのは名前を伝承していくことですが、これまで染五郎、幸四郎という名前でたくさんの方々に支えられてここまで来られたと思っています。自分の名前を次の世代に渡す気持ちは、一言では言えませんが単なる伝承ではなく、命を繋いでいくものだと思っています。なので本来は襲名と書きますが、私は襲命だと思っています。染五郎時代、幸四郎時代に色んないい仕事をさせていただきました。これからは二代目松本白鸚として、さらに九代目松本幸四郎時代、市川染五郎時代よりも、もっといい仕事をみなさまにお観せしたいという一心です。

松本幸四郎:幸四郎という名前を父からいただいて、正直、これ以上幸せなことはないと思っています。ずっと父の背中を追い続けていましたが、それは今までもこれからも変わらないです。

ただ8歳の時、染五郎になった時にも思ったことですが、染五郎というとお父さんをイメージするから君に染五郎とは呼びにくいね、ということを言われてしまうと、自分も染五郎と名乗れないんじゃないか、言っていいのだろうかと、不安に駆られ続けて来ました。それを払拭するには、僕が染五郎であると叫び続ける以外にないと思ったんです。舞台に立ち続ける以外にないという思いで、37年間過ごしてきました。

それと今回も同じというわけではありませんが、今は幸四郎というのは僕です。十代目とかそういうのは付けません。松本幸四郎というのは僕ですということは、ある意味、また新しく人生が始まることにはなるので、うれしいという気持ちは自分の中に秘めて、これから幸四郎の名前で何をしていくのか、何をやっていくのかというのが大事なのではないか。ということを襲名をする際に、強く感じました。

今回東京・歌舞伎座での襲名の時に、口上で息子が「市川染五郎です」と名乗るのを隣で毎日聞いていました。それによって自分はもう染五郎ではないということを言い聞かせてもらっていたんじゃないかと思います。これは自分は幸四郎であるということを、とても強く感じさせてくれた時間でした。

——昼の部「伊達の十役」は、以前も博多座で上演されていますが、今回襲名にあたってこの演目を選ばれた理由は?

松本幸四郎:1~2月東京・歌舞伎座、そして4月に名古屋・御園座、から福岡・博多座、大阪松竹座、そして京都・南座と大きな劇場で披露興行をさせていただきます。それにあたって、その劇場ごと、その一座ごとで、どのような披露興行ができるのか。またその劇場でなければできない披露興行とはどういうものだろうか?ということを、父も一番に気にしていたことでです。一つ通しのものをやりたいと候補に挙がっていて、博多座では「伊達の十役」に決まりました。これが決まった時は、本当にビックリしました。今でも本当なのかと思うくらい、夢のようなことが実現したと思っています。

今回は襲名披露興行の特別版的な感じで、普段は「三浦屋の女房」という役がでますが、これを「三浦屋の亭主」という役に変えて父が演じます。そのように博多座でないとできないやり方、形の「伊達の十役」をやろうと思います。新作歌舞伎の中では、最高傑作だと思っています。ぜひ九州の皆様に観ていただけるように務めようと思っています。

 

「六月博多座大歌舞伎」は、6月2日(土)〜26日(火)まで博多座にて公演

 

 

 

 

取材・文:筒井あや
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六月博多座大歌舞伎EVENT

会場 博多座
期間 2018年6月2日(土)~2018年6月26日(火)
料金 A席 18,000円 特B席 15,000円 B席 12,000円 C席 5,000円
チケット発売日 2018年4月14日
※未就学児童入場不可
お問い合わせ 博多座(TEL:092-263-5555)

プレイス情報PLACE

博多座

住所 福岡市博多区下川端町2丁目1
TEL 092-263-5555
URL http://www.hakataza.co.jp/
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