グルメ | 新店舗オープン

昭和世代、それも「ザ・ベストテン」世代のあなた、間違いなく心が射抜かれます

2018年03月12日 12:00 by 木下 貴子

今泉の裏路地に建つ「西鉄今泉ビル」にはこぢんまりとした、しかし味わい深いお店が集結しています。そこに新たに個性的な店『ウルトラセボン』が仲間入りしました。

ビルを奥まで進むと、ユニークな店が現れます。小窓よりも小さい覗き穴のような窓。はい、店名からお分かりになるようにあのヒーローの目と同じ形をしています。店名のロゴもポップ! で、ありながらここは「小料理屋」なんです。



出迎えてくれたのは寿司職人をはじめ和食経験の豊富なベテラン料理人、店主・瀬川大平さん。そして、あぁ、なんとも懐かしい…BGMに昭和のナツメロが!「コンセプトが“昭和”なんです」と微笑む瀬川さん。「なかでも昭和35年から40年代生まれがコアターゲット。いわゆる、味の分かる、流行に左右されることのない年代の人たちに向けた料理や雰囲気をご提供したいと思っています」と話します。

旬素材を中心にする本格和食。でも、たとえば地酒は1杯421円~、料理も500~700円台が中心と、気後れすることなくむしろ気軽に利用できます。「いかようにも使ってもらえるように、自由にしばりなく」と単品とコースを用意し、「仕込みしている間も飲みたければ、どうぞ」と15時から開店します(15~17時の間はメニューに関係なく、あるもので対応)。

料理は日替わりで、単品は刺身、小鉢、一品、珍味、それに寿司と多彩に揃いますが、いろいろ食べたいし、何といってもお得というコースを頼んでみました。おまかせコース「太郎」は、小鉢、お造り二種、一品、茶碗蒸し、握り五貫、留椀、水菓子」の7品で3780円!というお値打ち価格なのです。

この日の小鉢は鯨のベーコン。出汁で割った醤油でうすく味付けているため、ベーコンの風味を損なわずに美味さが増しています。この時点で、すでに瀬川さんの力量を感じます。



お造り二種。愛媛・宇和島産ブランド養殖真鯛「鯛一郎クン」は噂にたがわず、天然真鯛にも匹敵する旨み!カンパチも脂が乗っています。



一品は「えび芋の揚げ出汁」。出汁の風味をすごく感じる!と驚き、聞けば、通常の2倍量のカツオ節を出汁に使っているそう。贅沢。里芋よりも繊維が少ないえび芋は、口の中でとろーり。「えび芋の揚げ出汁」は単品もあり、えび芋が6個入って756円。



茶碗蒸しは、具は三つ葉のみ。シンプルゆえに同じく2倍量のカツオ節を使った出汁の味と、茶碗蒸しのとろりとした食感が引き立ちます。



やさしく染みわたる茶碗蒸しでひと息ついた後、いよいよ握りの登場です。まずは、マグロ。隠し包丁が入れられとても柔らかく、シャリと一緒に気づけば喉の奥へと消えゆきます。ちなみに瀬川さんの握りは仕事が施されているので、醤油はつけずにそのままいただきます。



こちらも隠し包丁を入れたヒラメ。味付けは塩とユズ。



〆サバ炙り。肉厚の〆サバをギュッと噛めば、酢の酸味とサバの旨味がぶわっと広がります。



これは大きなエビ! 甘み豊かというバナメイエビを使っているそうですが、いや、本当に甘いです。



握りの締めくりはイクラ。フレッシュ感を残す絶妙な漬けは、プチプチ、トロトロ。



留椀は、この日はあおさの味噌汁。鯛一郎とフグのアラでとった出汁に島原の味噌を溶いた味噌汁は、極上の一杯。飲んだ後の最高の〆!ともなる味噌汁は、単品だと432円。



最後の水菓子は、天草の塩アイス。ミルキーな味わい。



このボリューム、この内容、このお値段!お腹が空いているならば迷わずコースを注文すべし。満腹満足を約束します。なお、コースは日替わりどころか時間帯替わり。「ゆっくりめがいいか、早めがいいか、また苦手なものはないか、それだけお聞きします」と瀬川さん。自由すぎるにもほどがあります(笑)。また、寿司屋にも勝るとも劣らない瀬川さんの握りは単品もあり「いわし」(2貫432円)、「握り五貫」(1,080円・1,728円)などこれまたリーズナブル。
※仕入れによりコース内容、単品の値段は変わります。

「開けてすぐはゆっくりしてるから」と取材は開店直後の15時からはじめましたが、話をうかがっているうちに馴染みの客の方々がやってきました。瀬川さんは、取材を受けながら、お客にも気を配り軽快にお話していきます。

空間は、こんな感じです。居合わせたお客の方々に写真を撮っていいかをうかがうと、店に飾ってあったお面をかぶるということになり、こんなユニークな写真となりました。瀬川さんも笑いを堪え切れない様子。


一応、個室もありますが、よほどのプライベートでなければカウンター席がおすすめ。瀬川さん(右)と、たまに現れるという「ウルトラの母」こと前田さんが笑いも提供してくれます。席数が少ないので、夜は予約が無難です。


カウンター越しに繰り広げられる愉快な会話、次から次に流れて来る「ザ・ベストテン」世代のツボに入る懐かしの歌謡曲。取材中にも関わらず、会話に参加したり、唄いたくなったりと気持ちがうずうず落ち着きません。入りやすい店だけど、入ったら最後、ディープな世界へといざなわれる可能性大。小粋な大人の社交場にもなりそうな、ウルトラ小料理屋の誕生です。


おまけ:覗いていく人が山ほどいるという扉の「ウルトラ・アイ」。こんな“インスタ映え”も可能です(モデルは居合わせた馴染みのお客さん。ありがとうございました)。

取材・文:木下 貴子
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プレイス情報PLACE

小料理 ウルトラセボン

住所 福岡市中央区今泉1丁目12‐23 西鉄今泉ビル1F
TEL 092-732-1525
営業時間 15:00~23:00
定休日 日曜
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