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三好剛平の2017年ベスト映画歌曲集 Vol.01 ROCK / POPS 篇:全曲解説

2017年12月28日 21:00

天神サイトの元編集長、アジア映画商談会「ネオシネマップ福岡」担当、フリーペーパー〈シティリビング〉誌面でDVDコラムを連載中の三好剛平(ラブエフエム国際放送株式会社所属)による、「2017年ベスト映画歌曲集」を2回にわたってお届け!第1弾はROCK / POPS篇です。

1. 「Bellbottoms」 The John Spencer Blues Explosion...
【ベイビー・ドライバー】


今年「映画」と「音楽」の話をするとなれば誰もが異論の余地なくこの作品=「ベイビー・ドライバー」に止めを刺す。およそ音楽が我々にもたらし得る多幸感や全能感といった魔法のすべてを上映時間中一瞬たりとも途切れさせず一息で駆け抜け、鮮やかに音楽映画史を上書きしてみせた歴史的傑作です。このサントラに収録された数多のジャンルをまたいだ楽曲群は以降すべてが「あのベイビードライバーで使われてた曲ですが、」と枕を置かれる宿命を引き受けるほかないほどに完璧な選曲と演出で輝いた。とりわけこのオープニングの1曲は、もう、もう、そりゃもう、ね!!!(絶頂)

2. 「Blitskrieg Bop」 Ramones
【スパイダーマン・ホームカミング】


「スパイダーマン」3度目の仕切り直しは悲願のマーベルシネマティックユニバースとのクロスオーバーとして、主人公を高校生に置き換え彼が真に「親愛なる隣人」=スパイダーマンになるまでを、絶妙な軽味と風通しで描く快作。なにせニューヨークはクイーンズが舞台の風通し良い学園モノ、とあらばそりゃあ“彼ら”を召喚せずにはいられませんよなぁ、てことでクイーンズ出身のNYパンク神、ラモーンズのコレですよ。実は僕、本作をこの記事を書く2日前に友人たちと改めて見直したばかりですが(笑)、劇中でこの曲流れたときにはそりゃもう皆でスクリーンに向かって「Hey!Ho!Let's GO!」を連呼しましたよ。最高だったなあ。

3. 「Please Don't Go Girl」 New kids On the Block
【IT/イット “それ”が見えたら、終わり。】


世界中で大ヒットを更新しているホラー作品「IT」より。この作品はどこまでも主人公たち=“ルーザーズ(負け犬たち)”の魅力に尽きるし、なかでもぽっちゃりロマンチストのベン少年と、誤解されがちツッパリ美少女ビバリーの2人が超最高。彼らが初めて出会うのは映画冒頭の駐輪場、まさかの美少女が「僕なんかに」話しかけてくれて有頂天になったベンは、ひとしきり会話を終えて去ってゆく彼女の背中をながめ、そのとき彼がイヤホンで聞いていたニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックの楽曲名にかけて「“プリーズ・ドント・ゴー・ガール”、って気分だよ…」とつぶやく。なんて気の利いたことを!これ、青春音楽映画の新たな名シーンだと。

4.「Power」Kanye West
【パワーレンジャー】


日本生まれのスーパー戦隊シリーズの劇場版新シリーズより1曲。作品は過去シリーズファンへの目配せや、時代性を反映した(ように見せたい)キャラ設定など、気持ちは分かるが出来はボチボチという愛すべきヤツですが、唯一(上記「IT」同様)主演5人の男女たちのチャームだけは大評価(とりわけ桃レンジャーのナオミ・スコットがもう可愛過ぎて本当死にそう)、結局この5人と再会したいがためにまんまと次作も見てしまうのでしょうよ。さてサントラは、映画タイトルからの「パワー」縛りセレクトの数曲がほとんど大喜利レベルでカルくて楽しく笑、とりわけカニエちゃんのこれはやっぱ投下されるだけでアガりましたとさ。

5. 「Immigrant Song」 Led Zeppelin
【マイティ・ソー バトルロイヤル】


はじめ本作にこの定番曲があてられた予告編を見たときには「イヤそりゃアガりゃしますけど、さすがに選曲が大雑把過ぎませんかね」と思ったのですが、もう全然。全ッツ然!!!むしろ今ではそんな風に思った自分をハタき倒したいくらい。とにかくこの映画に「Immigrant Song(移民の歌)」が配されたのには完璧な意味がある。ソーの祖国=アスガルドとはつまるところ何だったか。劇中で明かされるその定義は、まさしく2017年のいま、土地を失い新天地を求め苦闘を続ける人々へ手向けられた讃歌だ。て言いながらも超笑えて/萌えて/燃える映画に仕立てきるとは、もうマーベルどんだけセンス良いのと戦慄するレベルでした。

6. 「To Leave Something Behind」 Sean Rowe
【ザ・コンサルタント】


あのもうこの「ザ・コンサルタント」という映画はですね、「会話が気が利いてる映画」「ナメてた相手が殺人マシーンでした映画」「神経質な殺し屋映画」「天才のお仕事見せます映画」「異常に充実した重火器炸裂映画」そして「この世界の“ふつうと違うヤツなめんな”映画」など、もはや俺の好きな映画要素だけで出来たバリ最高な一本。四の五の言わずご覧くださいが大正解ですが、痛快ばかりでなく、実はこの映画眼差しが徹底してやさしく、当曲はその滋味深いラストに静かに流れる一曲です。映画見た後にこれ来るとねー、歌詞もセットでねー、染みるわよー。マジで是非。

7. 「Baby Driver」 Simon & Garfunkel
【ベイビー・ドライバー】


最後にアウトロとしてもう1曲!ダメ押しの1曲はまたしても「ベイビー・ドライバー」サントラよりタイトルチューン!これだけでも僕がもうどれだけこの映画の音楽にヤラれているかお察しくださいだし、この楽曲が流れるラストシーンの頃には僕もうあまりの多幸感に涙どろっどろで顔びっしょびしょでしたからね。泣くような映画じゃないのに、ですよ。もう絶対見た方が良いんですよこの映画だけは皆ね。来年1/24にはDVDリリースされますから、どうか必ずご覧くださいね。

ということで、今回の7曲は「ROCK / POPS」縛りでの選曲でした。Vol.02では「SOUL/JAZZ」編として8曲選んでおりますので(楽曲的にはこちらのが「本命」です)これまたどうぞまたお楽しみに!

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