グルメ

2017年天神グルメトレンド総論

2017年12月27日 21:00 by 弓削聞平

もう2017年も残りわずか。あっという間の1年でしたが、天神のグルメ業界を思い起こしてみると様々なことがありました。なんといっても、流行りまくったのはサワー(酎ハイ)でしょう。2010年頃、1950年代に流行ったハイボールが新たなスタイルでブームとなりその後定着したように、今年は進化したサワーが旋風を巻き起こしました。その背景には少し前からの炉端・酒場ブームが影響していますが、一昨年くらいから関東や関西でレモンを凍らせて氷の代わりに入れるサワーが爆発的人気を博し、そこから派生してフレッシュ果汁を使ったサワーや、強炭酸サワーなど、多彩なバリエーションが生まれ一大ムーブメントを巻き起こしています。

一方、業態でいうと、今述べたように酒場系が増えたのですが、それにも関連して麺酒場の出店が目立ちました。数年前から福岡ではうどん酒場が増えていたのですが、それに勢いが増したとともに、ここのところはラーメン酒場も増えてきています。元々、居酒屋の後にシメでラーメンを食べに行くという流れはありましたが、それを1軒で済ませられるような業態が増えています。もう一つ目立ったのが「とりかわ」です。以前から「権兵衛館」「かわ屋」「粋恭」などで出している独特の焼鳥の「皮」で、鶏の首の部分を串に巻きつけ、タレをつけては焼きつけては焼きを数日繰り返し、味をつけ油を落とすことにより、従来の「皮」とはまったく違う串焼きに仕上げたものです。ここのところこれが全国的にも知られるようになるとともに、それらの店の出身者をはじめいろいろな人が出店し、ここ1、2年でこの「とりかわ」の店がかなり増えています。

お店でいうと、今年目立ったお店の筆頭は、警固の「めしや コヤマパーキング」と「(食)ましか」でしょう。この2軒は1つの建物に並んで入っているのですが、9月にできた「(食)ましか」はなんと大阪の超人気店で、2号店を関西ではなく突如この福岡に出したのです。カウンターだけのワインバルという業態ですが、特筆すべくはオーナー自ら福岡に住み、この店を切り盛りしているという点です。そして同じ警固1丁目の国体道路沿いにある常時満席の炉端焼き「百式」が2軒目として出したのがその隣の「めしや コヤマパーキング」。「百式」より手間暇がかかる和食メニューを中心に提供していますが、ここの最も特徴的なのは店に入ると目の前にある円形カウンターです。その円形の中心に厨房があり、周りで食べているとライブのステージを見ているような感覚に陥り、店の活気を創出しています。

もう一軒挙げるならば、春吉にできた「角のうぐいす」でしょう。今年のトレンドだった「大衆酒場」の代表格ともいえる店で、コスパ抜群の料理やドリンク、そして酒場的なにぎわいが見事に店の空気を作り上げています。名物はカウンターの隅で煮込まれている「牛すじどろ炊き」。大衆酒場といえばやっぱりホルモン系の煮込みははずせません。またドリンクも先述のサワーのトレンドを取り入れ多用なサワーをオンメニューしています。なかには「ガリガリ君ソーダ酎ハイ」といって、サワーの中にアイスキャンデーのガリガリ君を突っ込んだものなど、まさに今年の流行語にも選ばれたインスタ映えも押さえているあたりはさすが常時満席の人気店だけあります。

先頃「ぐるなび総研」が発表した「今年の一皿」によると、1位は「鶏むね肉料理」でした。今年、鶏料理や焼鳥店のオープンが目立った気はしたものの、正直、福岡の飲食店で「鶏むね肉料理」が増えたというのはあまり実感がありません。しかし大体飲食関係のブームは関東や関西より少し遅れて福岡にやってきますし、このように「ぐるなぐ総研」の発表をみて地方の飲食店がメニュー化し始めるという傾向にありますから、2018年は福岡でも「鶏むね肉料理」のメニューを見かけることが増えてきそうな気がします。そのほか「チーズタッカルビ」も同賞で入賞しているのですが、福岡は韓国料理店も多いですし、本国でも流行っているらしいので、こちらも来年は増えてきそうです。そういえばタッカルビも肉は鶏肉です。福岡は元々人口1人あたりの鶏肉消費量が日本一の県ですが、2018年はますます鶏肉を食べる機会が増えそうですね。

取材・文:弓削聞平
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