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話題沸騰!「福岡城 チームラボ 城跡の光の祭」を手掛ける、チームラボ・猪子氏を直撃!アレコレ聞いてみた!!

2017年12月09日 08:00 by simoonu(シモーヌ)

12月1日(金)から開催されている、この冬大注目の野外アートプロジェクト「福岡城 チームラボ 城跡の光の祭」。九州一の規模を誇り、国の史跡にもなっている石垣造りの福岡城跡が、ウルトラテクノロジー集団「チームラボ」の幻想的な光の演出によりデジタルアート空間に大変身! 約2万平米の広大な城跡を使って5つのプログラムを展開し、人々の存在によって変化するインタラクティブな光など、さまざまなアート作品で来場者を魅了しています。
この展覧会のアートディレションを務めるチームラボ代表、猪子寿之氏が来福。外から見た福岡城の魅力をはじめ、今回の作品づくりのプロセス、見所などをうかがいました!

「大天守台跡の石垣に住まう花と共に生きる動物達」
 

――初めて福岡城跡を見た時の印象はどうでしたか?

今年の春頃にこの企画が立ち上がり、最終確定したのは9月頃だったかな。昼と夜に福岡城跡を見に行きまして、特に印象的だったのが、別名「石城」の由来でもある石垣でしたね。僕自身、全国各地の城をよく見て回るんですが、福岡城は他より石垣が極めて大きいなと感じました。
そして「城跡」というのが非常に良い! 再現された城だと、耐久性の問題で石垣の隙間をコンクリートで埋めなければならないので、キレイになりすぎて歴史が分断されて見えるんです。福岡城跡の古い石垣には、長い年月で風化した石と石の間に隙間があって、そこに“400年の時”を感じました。「あぁ、人の営みが続いてきたから今があるんだな」なんて実感が湧いたりするんです。だから個人的には、こういう史跡が大好き。
そういうわけで、この大きな石垣を中心とした城跡で、何か作品を見せられたらと思いました。


――古い城跡や石垣は、構造上制作が難しかったのでは?

天守台跡に「石垣の空書」という作品を設けているんですが、ここの石垣の隙間が大きくて…(苦笑)。そうなると光を映しても、石と石の隙間に黒い影ができてしまいますよね。ならば、400年の時を経た石の隙間の影と一体化する作品ができれば良いなと。実際に、「石垣の空書」で表現している“黒い書”は、石垣の影の部分も含めて一つの作品だと思っています。

「石垣の空書 - 石城大天守台跡」


――この展覧会で新たにチャレンジしたことはありますか?

コンセプトの異なる3作品(木々、卵型の球体、城壁)を互いに呼応させ、作品の境界線がないかのように連動させる見せ方はチャレンジでしたね。
天守閣に登るとわかりますが、歴史的な城跡や自然の木々、現代的な光を放つ卵型の球体、そこに立つ人、そして福岡の街並みの風景が一体化して見えます。そう、歴史・自然・現代・今を生きる人々が一つの作品となっているんです。


また、メイン会場となる本丸跡には、卵型の球体をたくさん並べています。それらを傾けると、灯されていた光が別の球体や木々に伝播し、最終的に約630mの石垣まで届くことも。今ここに生きている人たちの動かす光が、自然の植物たちに映り、さらには400年前の石垣に映っていくという。これもヒト・モノ・自然が連動したワンシーン。ちなみに球体を倒す場所からは石垣に伝播する光は見えないので、出口付近の天守台跡辺りから、中にいる人たちが倒す光景を見てみてると面白いですよ!
今後もこのように作品の境界線をなくして、ボーダレスな世界観を作っていきたいなと考えています。

「呼応する、たちつづけるものたちと木々」


――自然を使った展覧会で猪子さんが魅力を感じる部分は?

日本は国際競争力が弱いかもしれないけど、その一方で、都市部と自然豊かな場所の距離感はどの国にも負けないと思うんです。この夏に僕らが展覧会を行った御船山楽園(佐賀県)も、福岡国際空港からたった1時間の場所にあり、そこに樹齢3000年以上の大楠が残っていて、1000年以上続く自然と人の営みによって生まれた文化的遺産を体感できます。この距離感は世界から見て珍しく、日本ならではの特異なことでしょう。僕らもそういう強みを生かして、自然や歴史と融合する作品を作れたらと思っています。

「大天守台跡の石垣に住まう花と共に生きる動物達」


――それが、チームラボさんのアートプロジェクトのコンセプト「Digitized Nature, Digitized City(非物質的なデジタルアートにより、自然が自然のままアートになり、街が街のままアートになる)」に繋がるわけですね!

そうですね。御船山楽園は福岡の人にとっては遠かったかもしれませんが(笑)、今回はまさに天神から徒歩圏内の福岡城跡なので、ぜひ見に行ってみてください!


――ちなみに、猪子さんの福岡のお気に入りの場所はどこですか?

僕ね、大名にある『坐離宮』のカレー鍋が好きなんです。いつも「九州っぽい味わいだな〜」と感じます。味付け面での持論ですが、和食は引き算、アジア料理は足し算なんですよ。そう考えると、九州の料理って比較的足し算のものが多い気がしていて。だから好きです(笑)。あとそうそう、『坐離宮』は翌5時まで開いているから、仕事が遅くなっても行けるのが便利ですよ。


――なるほど、足し算! アジア! 面白い見解ですね(笑)。最後にちょっと話が脱線しますが、猪子さんから見て、福岡のラジオの可能性をどう思いますか?

文明も社会も、放っておくとルールがどんどん増えて、その膨大なルールと複雑化したシステムによって自滅してしまうケースが多々ありますよね。そして、ルールがあまり及ばない“周辺部”から革命が起こり、次の新しい時代が切り開かれている気がします。ラジオもその“周辺部”と同じように、他のメディアにはできないことや、自由にできる部分を活かせばもっと面白くなるんじゃないかな。特に、LOVE FMはローカル局だからこそ、攻め込める可能性が多いにあると思いますね! ガンガン自由に面白いと思うことを突き詰めてください! 期待しています!



猪子さん率いるチームラボが手掛ける「福岡城 チームラボ 城跡の光の祭」は、舞鶴公園内の福岡城跡で現在開催中(来年1月28日(日)まで)。これまでに見たことがない福岡城のアート空間を、ぜひその目で確かめて、体感しにいってみて!

「呼吸し呼応する石垣 - 石城跡」

「忘却の石段 - 石城小天守台跡」

●「福岡城 チームラボ 城跡の光の祭」のダイジェスト動画はコチラ


●チームラボとは
プログラマ、エンジニア、CGアニメーター、絵師、数学者、建築家、ウェブデザイナー、グラフィックデザイナー、編集者など、デジタル社会の様々な分野のスペシャリストから構成されているウルトラテクノロジスト集団。アート、サイエンス、テクノロジー、クリエイティビティの境界を越えて、集団的創造をコンセプトに活動している。
http://teamlab.art/jp/

 

取材・文:simoonu(シモーヌ)
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福岡城 チームラボ 城跡の光の祭EVENT

会場 舞鶴公園 福岡城跡
期間 2017年12月1日(金)~2018年1月28日(日)
時間 18:00~22:00(入場は21:30まで)
料金 大人1,000円、中高生600円、子ども300円 ※3歳以下は無料 ※チケットは会場のみで販売
イベント公式URL https://www.teamlab.art/jp/e/fukuoka-castle/
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