グルメ | 新店舗オープン

居酒屋やバルのように気安く、フレンチ仕込みの小粋な一品を

2017年11月21日 12:00 by 木下 貴子

薬院の路地裏の駐車場の奥にある、2F建ての小さな木造ビルの1F。大きな提灯に『髯乃犬』と骨太く書かれています。さしずめ、髭をたくわえた店主が営む酒場だろうか…と勝手に想像しながら近づいてみると、提灯にはさらに「西洋居酒屋」という文字が。思っているのと、ちょっと様子が違いそう? ともあれ、扉を開いてみました。

木を基調にした古民家風の落ち着いた空間です。


優しい口調で「いらっしゃいませ」と迎えてくれたのは、髭をたくわえるどころか物腰やわらかい店主・香地和彦さんでした。


若かりし頃、10年間ほど福岡の老舗フレンチで修業をした経験をもつ香地さん。その後、ブライダルのプロデューサーに転身。料理の世界から離れても、料理を作ることは辞められず、「友人や知人を招いてよくホームパーティをしていました」と話します。そして、「歳も重ねてきたし、そろそろ次の展開を」と思い立ちこの店を始めました。

「ワインと合わせてお楽しみください」と料理は洋食が中心。香地さんのフレンチでの経験が生かされます。


「イタリア産生ハムとドライフィグ」(800円)。生ハムのしょっぱさとイチジクの甘さが交互に訪れ、ワインが進みます。スパークリングや白ワインと一緒に味わいたい一皿です。


「手羽のコンフィ」(550円)。塩をまぶして一晩寝かせた鶏の手羽を、低温油で3時間ゆっくり煮込みます。仕上げに外側をカリッとグリル。お箸でもホロリと骨から外せる柔らかさです。


釣りが趣味という香地さん。品書きには釣り仲間が釣ってきた魚を使った「本日の釣魚料理」(時価)もあります。時価といっても高くても1,000円ぐらいということなので、これは要チェックです。ただし、釣魚がある日とない日があるので、そこはご注意ください。

壁には釣りの写真も。


釣魚料理は、天然というのはもちろん、釣ってすぐに神経〆されるので味は抜群です。種類によって調理法を変え、この日の魚はスズキ。まずは、昆布〆にしたものをいただきます。「熟成させるとより旨味が増します」と、数日間寝かしたスズキの身はねっとりしっとり。魚の甘味と昆布の風味が優しく口に広がります。そのままでも美味しくいただけますが、ワサビ塩でまた違う味わいを。一皿600円。


同じく本日の釣魚料理より「スズキのグリエ トマトソース ドフィノア添えて」。ふわっと仕上げられたスズキに、シンプルで上品な味わいのトマトソース。トラディッショナルなフレンチで表現されたこの逸品が、800円という価格でいただける嬉しさ! 添えられたフランス風のジャガイモのグラタン「ドフィノア」も名脇役。この「ドフィノア」も人気が高く、単品でも用意されています(600円)。


「学んだことを真面目に」と別腹メニューの1つ「手作りベイクドチーズケーキ」(400円)も伝統的なフレンチの技法で作られます。ほどよいチーズの香りと甘さ、そしてなめらかなアングレーズソース。


ワインは、ソムリエであるご友人が監修。本日のワインは、赤白ともに3種類ずつ用意され、銘柄は随時変わっていきます。グラスは550円、750円、900円で提供。ボトルは、本日のワイン以外も揃え、中にはビンテージワインなどのお宝も。


いかがです? 居酒屋の範疇にとどまらない料理の質でありながら、居酒屋的に日常的に通える気安い雰囲気と価格帯。「バルという感覚で、お越しください」と香地さん。いろんな意味で意外性があり、でもきっと満足させてくれるお店です。

ちなみに店名の由来を聞いてみると、「うちの店長が髯面で」と紹介してくれたのが、この方! 香地さんの愛犬・ボーイくんです。お店に時々現れるボーイくんは、お客からもたくさん可愛がられる人気者の看板犬です。

取材・文:木下 貴子
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プレイス情報PLACE

西洋居酒屋 髯乃犬(ひげのいぬ)

住所 福岡市中央区薬院3丁目12-31-102
TEL 070-7654-9440
営業時間 18:00~24:00
定休日 不定
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