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TENJIN TO IRO【vol.18】屋台「レミさんち」の大将
2017年09月26日 18:00
●トリコロールブルーで天神屋台の店主が「ボンソワール!」
天神ロフト前に、今年4月から屋台の仲間入り。店主のグルナー・レミさんはフランス・ノルマンディー生まれだ。子どもの頃に囲碁が好きになり、日本に興味を持ったというレミさん。「明太子が好物だったから、福岡に来た」と、食いしん坊な動機を茶目っ気たっぷりに語ってくれた。「はじめて来た福岡がとてもいい街で、すぐに気に入りました。屋台での楽しかった想い出もずっと心に残っていて、福岡の人と人の距離感が僕には合っています」とニコリ。17年前から福岡に住みはじめ、2010年南区井尻にビストロ「メルシー博多」をオープン。本格的なフランス料理を気軽に楽しめる店として、人気を高めていった。
そんなレミさんに昨年転機が。屋台基本条例に基づき、屋台営業の公募が行われ、友人のすすめもあり、思い切って応募。ユニークなフレンチ屋台がこの春誕生したのだ。「地元の人は意外と屋台を利用しないでしょう。美味しい料理と楽しい空間を用意して、地元の人が屋台文化をもう一度見直すきっかけになれたら」とレミさん。自身も大好きな屋台を盛り上げるために、自分の家でもてなす気持ちで、毎日店に立っている。エスカルゴやキッシュなど、屋台とは思えないメニューのラインナップも自慢だ。ソーセージやパンも手作りで、丁寧に仕込まれた料理の数々にワインもすすむ。
レミさんにとって屋台は、身近なものだ。「フランスではテラス席で食事をするのが、みんな大好き。屋台も屋外でしょう。天神のテラスだと思って、空の下での食事の時間を楽しんで欲しい」と観光客だけでなく、地元の人にこそ屋台の魅力を伝える。「うちに来たお客さんが、他の屋台にも行ってみようかな、という気持ちになってくれたら嬉しい」。レミさんは福岡の食文化を支える頼もしい存在だ。
屋台と言えば、交流の場でもある。レミさんはワーキングホリデーで福岡に訪れているフランス人をスタッフに入れ、客との会話を積極的に行う。フランスと日本の文化の架け橋としての役目も担っているのだ。「一期一会の出会いを大事に」。たくさんの笑顔が12席の小さな屋台に飛び交っている。フランスから訪れた笑顔の使者。トリコロールの爽やかなブルーが、天神の屋台を今日も彩る。

はじめて福岡を訪れてから約20年。「道を聞いただけで友達になれる福岡の人の温かさが、なにより魅力。こんな素敵な街に出会えて、僕はとてもラッキーだ」。地元人と同じく、福岡を愛してくれているレミさんの想いは熱く、その気持ちが屋台そのものの温かみだ。


開店準備も手際よく。冷蔵庫やコンロ、湯沸かし器も完備し、あっという間に屋台が完成。友人と一緒に手作りした木製の屋台は、まさにレミさんの「お家」。女性客が多く、はじめての屋台にこの店を選ぶ人も。今までにないフレンチスタイルの屋台はいつも賑やかだ。

2〜3名のスタッフと店を切り盛り。フランス語と日本語が賑やかに飛び交い、お互いの文化を身近に感じられるアットホームな雰囲気だ。レミさんの博多弁も交えた流暢な日本語はお見事!

「大好きな福岡に恩返しする気持ちで屋台を始めた」と笑顔で語るレミさん。「ブイヤベースラーメン」といった、フランスと福岡が融合したメニューも開発し、自分だからこそできるチャレンジを新天地で。
【TENJIN TO IRO】
西鉄天神委員会プレゼンツ「TENJIN TO IRO」は、天神を鮮やかに彩っている人々を取材し、毎回その人となりを表すキーカラーをテーマに、天神のカラフルな魅力を再発見する企画です。
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プレイス情報PLACE
レミさんち
住所 | 福岡市中央区渡辺通4丁目9(天神ロフト前) |
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TEL | 092-986-2117 |
営業時間 | 18:00~24:00 |
定休日 | 日・月曜、雨天時 |
URL | http://www.mercihakata.com |