クエイ兄弟『ストリート・オブ・クロコダイル』より《仕立屋の店内》1986年 photo ©Robert Barker

アート

双子が誘うミステリアスな美の世界『クエイ兄弟 ―ファントム・ミュージアム―』

2017年03月31日 08:00 by 筒井あや

幻想的な映像美と狂気を孕んだ映像作品で多くの人々を魅了する双子の兄弟、スティーヴン&ティモシー・ クエイによる西日本で初となる個展を三菱地所アルティアムにて開催中です。

クエイ兄弟は一卵性双生児として1947年ペンシルヴァニア州ノーリスタウンに生まれ、フィラデルフィア芸術大学に進学して「ポーランド・ポスターの芸術」展(1967年)を目撃し、東欧の文化芸術に強く魅せられます。その後、ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートに進学し、イラストレーションを学ぶ傍ら、東欧の文学や音楽、映画への興味を一層強め、アニメーションの制作も開始。

1979年に映像作品『人工の夜景―欲望果てしなき者ども』を発表以降、彼らはロンドンを中心に、コラージュ、コマ撮り、実写、特殊効果を組みあわせ、アニメーション、ドキュメンタリー、ミュージック・ヴィデオ、バレエ映画、長編映画、コマーシャルなどさまざまな映像作品を発表。2012年にはニューヨーク近代美術館(MoMA)で大規模な個展が開催されるなど国際的な評価を受けています。


『イーゴリ―パリでプレイエルが仕事場を提供していた頃』1982年

本展では、1986年にカンヌ国際映画祭短編部門にノミネートされた代表作『ストリート・オブ・クロコダイル』をはじめ、クエイ兄弟が敬愛し影響を受けてきたチェコの映像作家ヤン・シュヴァンクマイエルへのオマージュに溢れる『ヤン・シュヴァンクマイエルの部屋』(1984年)など、初期の映像作品を中心に紹介します。


『失われた解剖模型のリハーサル』より《彼らは自分たちが孤独だと思っている》 1988年


作家近影

会場内では、常時、ダイジェストの映像作品をループで上映する他、映像制作で使用された模型の数々を展示します。緻密で美しい模型は、本展の見どころのひとつで、制作の背景が伺える貴重なものです。また、斬新なデザインで、当時の東欧の文化・芸術を伝える「ポーランド・ポスター」をはじめ、1970年代に鉛筆で描かれた一連のドローイング「黒の素描」を展示。特にドローイングは、後のクエイ兄弟の創作へと展開するモチーフや雰囲気を孕む注目の作品群です。

ミステリアスであり、美しい、そんなクエイ兄弟の世界をぜひ堪能してみてください。

 

 

取材・文:筒井あや
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クエイ兄弟 ―ファントム・ミュージアム―EVENT

会場 三菱地所アルティアム
期間 ~2017年5月7日(日)
時間 10:00〜20:00
※休館日 4月18日(火)
料金 一般:400円、学生:300円
※再入場可
※高校生以下、障がい者等とその介護者1名は無料
※アルティアムカード会員・三菱地所グループCARD(イムズカード)会員無料
主催者URL http://artium.jp/
お問い合わせ 三菱地所アルティアム(TEL:092-733-2050)

プレイス情報PLACE

三菱地所アルティアム

住所 福岡市中央区天神1丁目7−11 イムズ8F
TEL 092-733-2050
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