グルメ

けやき通り沿いに心温まるフレンチレストランが開業

2016年10月25日 12:00 by 山田 祐一郎

秋の「けやき通り」はそれまで木々が蓄えていた緑の葉が徐々に赤みを帯びていきます。福岡市の中心地でありながら、自然を近くに感じるこの通り。どこかスローな空気感のあるこの地に、10月、一軒のフレンチレストランがオープンしました。



屋号の「Sourire(スーリール)」とはフランス語で笑顔を意味します。その言葉通り、店に入ると、オーナーシェフの水元康裕さんが奥様とともに、にこやかに迎えてくれました。

水元さんは18歳でレストラン「花の木」で働き始め、以来、フレンチ一筋。「料理経験ゼロ、包丁もロクに扱えないような、何もできない状態で働き始めました。フランス帰りの先輩に憧れ、その背中に追いつきたいと必死でしたね。その先輩にフランス料理の面白さを教えていただいたからこそ今があります」。


↑「花の木」に入社した当時、先輩に買ってもらったという包丁を今も大切に使っているという水元さん

「花の木」を退職後、水元さんはフランスに渡り、ミシュランガイド2ツ星の名店をはじめ、数軒で現地の味を学んできました。その中で得たのはフレンチの本場におけるフランス人ならではの感性。例えば食材の掛け合わせ、香辛料の使い方、味付けにおける大胆な工夫など、その感性は、水元さんに大きな影響を与えます。

帰国後は「レストラン ひらまつ」などを展開する「株式会社 ひらまつ」に就職。17年間在籍し、「ひらまつ」の福岡全店を統括する総料理長のポジションまで任されていました。その中で、年々強くなっていったのが「現場に戻りたい」という思い。こうして「Restaurant Sourire」の開業に至ります。





店を始める上で、水元さんには思い描くイメージがあったそう。その一つが緑の多い立地。様々な物件を見た中で最も気に入ったのがこのけやき通りでした。
ファサードは、通りに面した部分の大半がガラス張り。ガラスの映り込みにより、店の周りに広がる自然がよりいっそう強調されているのが印象的です。けやき通り沿いではありますが、通りから少し奥まっていて、店の戸を開けるまでにスッと肩の力が抜けます。そんな距離感も気に入っているのだと水元さんは教えてくれました。







客席はカウンター5席、テーブルは4人掛けが1つ、2人掛けが2つという小さなレストラン。現在はご夫婦でペースを見ながら営業しているため、ランチは金〜日曜のみ。伝えたいのは、水元さんというフィルターを通した「博多のフレンチ」です。食材、特に魚や野菜が豊富で、質の高いものが手に入る福岡の地で、その絶好のロケーションを最大限に発揮できる料理を追求します。





料理は現在昼、夜ともにコースのみ。ランチは3,000円、ディナーは6,000円のフルコース料理をそれぞれ用意しています。水元さんのキャリアを考え、そして渡された本日のお品書きの一例を見て、湧き上がったのは「信じられない!」という衝撃。その反応を見てか、水元さんは「気軽に来ていただきたいんですよ。厨房もオープンキッチンにしていますし、お客様のダイレクトな反応を感じたくて。目が届く範囲で営業していこうと思っています」と笑顔を見せます。


↑ワインはグラスが700円〜、ボトルは4,000円〜。ご夫婦で切り盛りされているので、昼夜ともにできれば予約をした上で来店を。





その言葉どおり、肩肘を張って食事をするような重厚な雰囲気はなく、店は至ってオープンな空気感。博多織のクロス、そしてデザインの世界に身を置いていた奥様によるディスプレイが、ここで過ごす時間をセンス良く軽やかに演出していました。

「18歳の頃から今に至るまで、味付けにおいて一つのルールがありました。“後を引く味”です」という水元さん。食べた後にまた食べたくなる。家路の途中で、ふと料理の味を思い出す。寝る前にその日を振り返り、幸せを感じる。そんな料理が水元さんが追い求める理想の形。「奇はてらいません。素直に美味しいのが一番ですよ」。水元さんの晴れやかなその笑顔もまた、後を引きます。

取材・文:山田 祐一郎
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プレイス情報PLACE

Restaurant Sourire

住所 福岡市中央区赤坂2丁目6-5
TEL 092-753-6324
営業時間 11:30〜13:30(OS)※金〜日曜のみ、17:30〜20:30(OS)
定休日 水曜
URL http://sourire-mizu.on.omisenomikata.jp/
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