グルメ

凛とした時間と寛ぎの時間、両方を満たしてくれる

2015年10月05日 08:00 by 木下 貴子

お店を初訪問する時は、なにかと緊張するものです。それが寿司屋ともなると、緊張もひとしお。しかし、こちらの店にいたってはそれが一切感じられませんでした。電話の時点で、大将の柔らかい声と優しい対応に緊張がほぐれ、訪問時にはむしろどんな大将がいらっしゃるのだろうという期待感でいっぱいでした。果たしてその予想は大当たりで、扉を開けると「いらっしゃいませ!」と大将・宮本裕剛さんが満面の笑みで迎えてくれました。

小空間で凛とした佇まいの店は、カウンターのみの10席。寿司屋の醍醐味の一つである職人との対話に重きを置いた店づくりになっています。カウンターにネタケースは設置せず、カウンターもお客と宮本さんの目線が合わせやすい、対話がしやすいような高さにしてあります。カウンターのみにしたのは、「お客様すべてに目が届き、対話もしやすくご要望もうかがいやすくするためです」と宮本さんは話します。

『巳之七』の名は、宮本さんのお祖父さんのお名前からいただいたもの。実は宮本さんのお祖父さん、お父さんも寿司職人で、ゆえに幼少の頃から寿司の世界に親しんでいました。学生時代まで特に寿司職人なることは考えてなかったと言いますが、結果、この道を歩む事になったのは、生まれながらの環境の影響が強かったのでしょう。大学を卒業し東京の寿司屋で10数年修業し、故郷・福岡に戻ってきて「たつみ寿司」で3年勤め、そして独立しこの店を開きました。

メニューは、おまかせにぎり(10貫)6,000円、おまかせコース8,000円・10,000円の3種類です。おまかせにぎりは、例えばネタをさっと炙ったり、エビをにぎった後はその頭部を揚げて出したりと、いろんな調理を施して味のバリエーションを生み出します。おまかせコースになると、刺身やおつまみなどが加わり、さらに様々に楽しむことができます。

「こちらで生まれ育ったから…」と食材は地元のものを中心に、他の土地の美味しいものを交えながら仕入れます。にぎり、コースの内容は仕入れによって決まり、また調理場は1人で切り盛りするため、特にコースを注文する場合は事前予約がおすすめです。「できるだけ満足していただきたいので、お電話ででもお話させていただけるとありがたいですね」。緊張どころか、つい甘えてじっくりと相談したくなる…そんな温かい寿司屋の誕生です!




【1】東京、福岡で経験を積んだ宮本さん。シャリは、比較的甘めのシャリの博多前と、酢が強めのシャリの純江戸前の中ほどに味付けし、お米の味もふわっと優しく伝わってきます
【2】「入りやすい寿司屋に」と内装はモダンな印象に。どの席からもにぎる姿はもちろん、焼いたり揚げたりと料理が仕上がる様子がうかがえます
【3】中の様子が外からも見えるようにと、扉に小窓をつけたのも「入りやすさ」への配慮です。なお、店が軌道に乗ったらランチ営業も始めたいそうです

取材・文:木下 貴子
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プレイス情報PLACE

鮨 巳之七(みのしち)

住所 福岡市中央区薬院2丁目18−13
TEL 092-716-2520
営業時間 18:00〜22:00
定休日 月曜日
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