@babachan0223の福岡飲食店伝説

博多うどんと北九州うどん!? の巻

2015年09月24日 08:00 by 馬場健治

先日、ぴあ社のグルメムック「北九州食本」の制作に参加しまして、無事に発売された訳ですが、改めて一冊を読み返してみるとデザインフォーマットとしては全国統一の構成にも関わらず、とても地域性が出ていて面白いなと。「ハイカラな洋食ランチ」、「レトロ食堂」、「海鮮ランチ」、「名店カレー」、「大衆酒場」、「角打ちパラダイス」、「焼肉とホルモン」、「台湾料理などの中華」、「餃子」、「おでん」、「老舗バー」等々。その街の立地条件、構成する市民の背景、労働の環境、街の成り立ちなどにより、その街に根付く料理が変わることをと再認識しました。

そのなかで今回のテーマにも繋がる訳ですが、北九州のうどんも柔らかい麺が特徴の博多うどんとは少し違っていて、麺の硬さでいえば博多と讃岐の間。味も「かしわうどん」や「肉肉うどん」、はたまた「焼きうどん」など、特徴があるうどんを代表格に多種多様。この理由を18世紀後半からの貿易港・門司港開港や八幡製鉄所の完成で急速に西日本一帯から人口が流入して、文化が混ざってきたからだと思っていたのですが、北九州市刊行の小冊子「雲のうえ」22号の特集「北九州うどん」での店主インタビューでは「昭和40年代に小倉〜松山を結ぶフェリーが開通したから、小倉は讃岐の影響があるのでは?」という説も。

北九州の老舗では、ゆがきたてのかた麺と、ゆで置きの普通麺(やわ麺)を選べる店もあるようです。工場地帯のある街には三交代ありということで、朝早くからオープンするお店が多いのも特徴。そういえば、ロバートの秋山さんにインタビューした時に「資さんうどん」のことを「あんなにクオリティの高いうどん店が地方で24時間営業できるのは凄いことですよ。東京にも欲しい」と語っていました。確かに東京にはないですね。

さて、最近「うどんの発祥は博多で、ラーメンもいいけどうどんも美味い」といった感じで、認知度が急上昇中の博多うどん。博多うどんといえば柔麺。「かろのうろん」、「川端 英ちゃんうどん」、ソラリアステージにもある「因幡うどん」など、ゆで置きの柔らかい麺が特徴です。忙しい客のために早く食べられるようにゆで置きになったという説が主流で、喉越しを味わうともいわれる博多うどん。先日放送された「ブラタモリ」(NHK)博多編前編のエンディングでも、タモリさんが「かろのうろん」でうどんを啜りながら「博多のうどんは飲み物ですから(笑)」と話しておりました。そういえば話は脱線しますが「30数年前、タモリさんが博多のうどんを東京で食べたいし、仲間にも食べさせてあげたいと自ら出資して、博多うどんの店を出店したことがある」というネットの情報を発見。へ〜。本当なのでしょうか?? 久留米の老舗「人力うどん」の麺は、口に含むと溶けてしまう位、柔らかいです。福岡人は嗜好的に柔いのが好みなのかもしれないですね。ダシをたくさん吸った麺を飲み込むスタイルでしょうか。

今は福岡の「ウエスト」も北九州市に出店していますし、北九州の「資さんうどん」も福岡市にあって、食べ比べてもそんなに気が付かないレベルの博多うどんと北九州うどんの違い。しかし、老舗の店同士で食べ比べれば違いが分かるかもしれません。うどん店がその場所に生まれた歴史や、常連客に愛される理由を知ることで、もっとうどんを楽しめるかもしれないですね。
「孤独のグルメ」福岡編で松重豊が食べていた「みやけうどん」の丸天うどん。400円。太麺です。

取材・文:馬場健治
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