グルメ | 新店舗オープン

世界が知るラテアートの名手が天神北にカフェを開業

2017年09月25日 08:00 by 山田 祐一郎


スチームして温めたミルクをすーっと迷いもなくカップに注ぐ。左手はがっしりとカップを握り、一方で右手は細かく左右に触れる。カップの液面が迫り上がるにつれて、徐々に大きなハートになっていき、かと思えば、途中から何がどうなったかわからないうちに、鳥の姿が現れました。時間にしてわずか1分くらいだったかもしれません。ただ、その1分はとても長く、そして贅沢な時間でした。


テーブルに置かれたカップを覗き込むと、そこには今まで見たこともないようなラテアートが表現されていて、飲むのが惜しくなります。とはいえ、美味しそうだという気持ちがむくりと湧き起こり、口に含めば、ミルクのたっぷりと豊かなコクが広がり、そして同時にコーヒーのビターな旨味が覆い被さり、そしてほろ苦い余韻が残りました。ほおっと一息つくと、店主・安藤貴裕さんはその様子をなんとも幸せそうな表情で見てくれていました。
この「コネクトコーヒー」は9月1日(金)にオープンしたばかりの新しいカフェ。世界に知られるラテアートの名手・安藤さんでも、やはりお客さんの表情は気になるようです。



安藤さんは何を隠そう、全国でも指折りのラテアーティスト。2014年には世界最高峰の大会として知られる「コーヒーフェスト」でに出場し世界第2位に輝きました。また、国内においてもUCC主催の大会において日本一に。トップ3にも2度輝くという華々しいキャリアと実力の持ち主なんです。


冒頭で紹介したラテアートは、ピックを使わず、ミルクだけでアートを描く「フリーポア」という技法によって仕上げた作品です。この模様は「アンドリ」の愛称で親しまれている安藤さんの十八番。このラテアートだけでも一見の価値があります。カフェラテは1杯550円。なんだかとても安く感じてしまいます。


店を開業しようと考えた際、テーマにしたのが、自身がコーヒーを通じて体験した「コネクト」。日本語にすると「つながり」を意味する言葉通り、安藤さんは大学生の時にラテアートに魅せられ、それから基本を学んだ後にひたすら努力を重ね、ラテアートを追求していく中で、同じようにコーヒーを愛する人々とつながっていったのだと言います。「ラテアートの教室、大会などを通じて、コーヒーの輪が広がっていくのが楽しかったんです。この店もそういう場にしたいという思いがあり、店の名前も決めました」と笑顔を見せます。

コーヒー豆は自家焙煎。かつてこの場所でカフェを営んでいた増田さんに手ほどきを受け、焙煎においてもさらなる高みを目指しています。コーヒーはコロンビアとブラジルのブレンド、もしくはエチオピア産から選べるほか、シングルオリジンでもオーダー可能です。イートインはもちろん、コーヒー豆も販売(100g 650円〜)しています。



店内で目を引くのがシックな色合いのマルゾッコ社のエスプレッソマシンです。側面にウッド調の模様があしらわれ、ボディはブラック。このマシーンはまだ国内では他に導入されていないそう。このマシンの色目に合わせ、店内の空間はマットブラックとウッドを基調に、温かみがありつつも、クールに引き締まっています。JBLのアンティークステレオから流れるブラジリアンミュージックやジャズも、この空間に似合っていました。店の一角ではこれからコーヒーを楽しみたいという人に向け、安藤さんがセレクトしたカップ、抽出器具といったグッズが展示販売されています。


18:00以降の夜タイムにはコーヒーの魅力をもっと感じてほしいという思いから、コーヒーをアレンジしたカクテルも提供中。エスプレッソジントニック(写真・900円)やエスプレッソラムトニック、アイリッシュコーヒーなど6種類からお好みを選びましょう。

天神の中心地から徒歩圏内で行ける場所で探したというこの場所。ふらりと立ち寄り、世界に触れてみてくださいね。

取材・文:山田 祐一郎
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プレイス情報PLACE

connect coffee

住所 福岡市中央区天神5丁目6-13
TEL 092-791-7213
営業時間 12:00〜22:00(日祝は11:00〜18:00)
定休日 火曜
URL https://www.facebook.com/connectcoffee.jp/

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