観光 - 市場に行く(新鮮な魚介を食べる)

腕利き料理人御用達。地元の上質な食材が並ぶ“博多の台所”。

2017年12月15日 08:00

ホテルニューオータニから徒歩数分、住吉通り沿いにある『柳橋連合市場』は、プロの料理人が絶大な信頼を寄せる市場です。はじまりはおよそ100年前。数人の鮮魚商たちが、珂川に架かる柳橋のたもとで魚を売り出したことが起源とされています。名付け親は半田惣助。当時は“柳橋廉売市場”と呼んでいたそうです。その後、この地で商いを行なう店が増え続けたことから、それぞれの商店をまとめて『柳橋連合市場』と称するようになりました。


現在、市場内には50店ほどの専門店が軒を連ね、天然鮮魚や地物野菜、精肉や乾物、果物、練り物、明太子、茶、菓子など、ありとあらゆる食材を並べています。食材の質の高さに定評があり、売上の大半は有名料理店や料亭、ホテルなどに卸す食材が占めているそうです。もちろん一般客も利用ができ、特に年の瀬には“カニ”“ブリ”“黒豆”“数の子”などのお正月食材も販売され、大勢の人で賑わいます。また、天神の中心地からアクセスしやすいので、観光名所としても人気を馳せています。

毎月第3木曜日には“定例売り出し”が開催され、どの店も通常の3〜5割の値段で商品を販売したり、なかには原価を切る大サービス品も登場するのだそうです。また、市場内で使用できる金券が当たる抽選などもあり、盛り上がっています。ほかにも1月には、無料で約1000杯ものぜんざいを振る舞う“ぜんざい祭り”が行われるなど、地域とのふれあいを大切にしています。

時代とともに連合市場内の店が変化するのも魅力のひとつで、現在はワインショップやコーヒースタンドなども看板を上げていて、老若男女問わず親しまれています。また、来福した有名人がお忍びで通う店も多々あるようで、しばしば大物有名人の名前も聞こえてきます。ということでこの先は、定番の店から上級者が通う穴場まで、おすすめ店を紹介します。




■いと嘉(いとよし)


昭和50年創業。“福岡一の鮮魚店”と称する料理人も多い名店です。目利き、生簀の管理、締め技などすべてが一流。その信頼は絶大で、市内の料亭や星付き料理店はもちろん、わざわざ東京・金沢・北海道などからも依頼があるほどです。アラ(クエ)・サバ・真鯛・ヒラメ・マグロなどなど、旬の天然鮮魚は一般の方も購入できます。お正月向けに販売される自家製の「シメサバ」は、争奪戦になるほどの人気だそうです。
●TEL:092-731-3402
●営業:6:00〜15:00不定
●定休:日祝日


■中弥(なかや)


主力商品は、福岡出身の有名人たちも贔屓にするという辛子明太子「博多どんたく」。上質で鮮度の高いタラコを使うため、粒がしっかりとしていて味が深いのだそうです。秘伝のタレにおよそ5日間漬け込み、さらに3日間ほど熟成。毎日食べても飽きないおいしさに仕上げています。辛さは“甘”“中辛”“辛口”の3段階から選べ、「柚子明太子」「昆布明太子」なども揃っています。ほしい分だけ購入できる量り売りも好評。冷蔵で2〜3週間、冷凍で2〜3ヶ月ほど日持ちするので、お土産にも最適です。
●TEL:0120-568-708
●営業:7:00〜17:00
●定休:日祝日


■柳橋食堂


「安くてウマい!」と評判が広がり、昼どきには席が埋まることもしばしば。市場内の『吉田鮮魚店』が営む食堂です。名物の「海鮮丼」は670円とお手頃価格なうえに、味も絶品。魚の質の高さに驚きます。「海鮮丼」+「あら炊き」or「フライ(または唐揚げ)」or「焼魚」のセットメニューも定番です。ほかにも刺身・寿司・定食・丼物など約40種類の海鮮メニューが揃っています。海外からの観光客に好評なのは「大トロ丼」(1,650円)や「ウニ丼」(4,500円)などの贅沢丼。とはいえ、これらも市場ゆえの破格値です!
●TEL:092-761-1811
●営業:11:00不定〜OS15:30
●定休:日祝日


■菓子舗 鮹松月(たこしょうげつ)


創業90余年の和菓子店。「甘いものは甘く」を心情に、あえてあんこに塩を入れない製法が特徴です。北海道産の上質な小豆の持ち味を生かすべく水と砂糖のみで練ったあんこは、いかにもあんこらしい風味が、小気味よく鼻を抜けていきます。もち米も佐賀県産の特上品を使い、毎朝つきたてを提供。引きが良くて、もち米本来の甘みが際立ちます。人気は「豆大福」や「桜餅」(各130円)。ほかにも「おはぎ」「みたらし団子」「カフェ・オーレ大福」など、さまざまな菓子が並んでいます。また、予約のみですが、京都の老舗和菓子店で修行を積んだ四代目による上生菓子にも力を入れており、美しさと上品な味わいに心惹かれます。
●TEL:092-761-5058
●営業:9:00〜17:30
●定休:日祝日


■manu coffee 柳橋店


市内に5店舗を展開。福岡のコーヒーカルチャーを牽引する人気店です。はじめての人は、自家焙煎豆の味わいや香りを素直に楽しめる「フレンチプレス」(520円)をぜひ試してみてください。自慢のエスプレッソは、飲み終えた後に果実味が口に広がり、豊かな香りが余韻を残します。定番の「カフェラテ」や「カプチーノ」(各520円)などのほか「バニラワサンボンラテ」「グリーンカフェラテ」(各530円)など、和を感じるメニューも揃っています。店内ではマグカップやTシャツなどのオリジナルグッズも販売。『柳橋連合市場』内で購入したフード類は持ち込み可能というサービスも嬉しいポイントです。
●TEL:092-725-8875
●営業:7:00〜17:00(祝日10:00〜17:00)
●定休:日曜日
●URL:http://www.manucoffee.com/home/


■柳橋連合市場■
●住所:福岡市中央区春吉1丁目5-1
●TEL:092-761-5717
●URL:http://yanagibashi-rengo.com/


ライター:松鵜剛志


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柳橋連合市場

住所 福岡市中央区春吉1丁目5-1

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