三菱地所アルティアム「鈴木マサルのテキスタイル展 目に見えるもの、すべての色柄」より
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街歩きとあわせてアート鑑賞を!天神エリアのおすすめギャラリー
2017年12月01日 08:00
福岡随一の繁華街・天神は、福岡随一のカルチャーの発信地とも言えます。天神近辺にはギャラリーが点在し、様々なアートが日々発信されています。街歩きの合間に、福岡で“いま”のアートも感じてみてください。年間を通して常時、展覧会を行っている魅力的なギャラリー3軒をご紹介いたします。
■三菱地所アルティアム
天神のまさに中心地にそびえたち、黄金色に輝く外観の『イムズ』は、最先端の情報を発信するインターメディアステーションです。その8階にある『三菱地所アルティアム』はイムズの芸術文化の要として多彩な展覧会や、イムズと連携した催しを開いています。現代美術、デザイン、建築、ファッション、絵本、サブカルチャーなどとジャンルも幅広く、展示される作品のバリエーションが豊かなので、そのたびに違う印象を与えてくれる空間構成が楽しめます。
日本で最も注目されるテキスタイルデザイナー鈴木マサルの九州初となる個展「鈴木
マサルのテキスタイル展 目に見えるもの、すべて色柄」より。(2017年12月9日撮影
※時期によって展示は変わります)。
写実絵画の旗手、諏訪敦の西日本初となる本格的個展「諏訪敦 2011年以降/未完」より。(2017年10月19日撮影 ※時期によって展示は変わります)。
将来有望な若手作家を後押しする展覧会もあれば、福岡ではなかなか見るチャンスのない、国際的に活躍する作家の展覧会も開きます。作家のキャリアもジャンルも様々ですが、こちらで紹介される展覧会に共通するのは、「今、見るべき作品や表現、そして作家です」とディレクターの鈴田ふくみさん(右)と安田由佳子さん。
キャリアある作家も「ここぞというタイミングで発表していただくこと、作品が充実している時に思い切った展示をしてくれそうな人は特に注目しています」。ゆえに、「アルティアム」でこれまで行ってきた展覧会の中で、九州初、西日本初といったものも少なくありません。九州のアートやカルチャーシーンを牽引するギャラリーと言っても過言でないでしょう。
ギャラリーに併設するアートショップ「.g(ドットジー)もお見逃しなく。「アルティアム」で開催中の展覧会に関連するグッズのほか、お洒落なアートグッズやアート書籍など多数のアイテムが揃います。
●住所:福岡市中央区天神1-7-11イムズ8階
●TEL:092-733-2050
●営業:10:00~20:00
●定休:不定(展示替え期間、およびイムズ休館日)
●URL:http://artium.jp/
■ギャラリーとわーる
天神の商店街・新天町の西通り側入り口にある、昭和54年(1979年)開廊の老舗ギャラリー。地元九州の選りすぐりの作家を中心にした現代美術の展覧会を行っています。若手、ベテラン問わずに、開廊当時から実力ある作家を紹介し続けてきたその歴史が蓄積され、今となっては元九州派、ネオダダといった国際的に評価される著名作家の個展が開かれることもしばしば。一方で、将来性を感じる新しい作家たちの発掘にも余念がなく、彼らにも発表の機会を与えています。作家見極めのポイントをオーナーの長崎由美さんにお尋ねすると、「世界的に通用するかどうか、それだけです」ときっぱり。
長崎さんは東京・銀座にて『ギャラリー58』も運営しています。“とわーる”で展示した九州の作家をここで展示することもあれば、逆も然り。福岡と東京、2カ所でギャラリーを運営することで、作家へのチャンスが広がると同様に、観客が多くの作家を知る機会も増えるというわけです。(展示風景は「一ノ宮佳那展」より。平成29年(2017年)11月20日現在 ※時期によって展示は変わります)。
隣接の『モッコ』では調金と器を中心に、ガラスや木工など作家もののクラフトを展示・販売しています。こちらにあるのはすべて1点もの!「手にとってご覧いただくと、そのよさや特徴がより伝わりますよ。本物を感じてください」とスタッフの松隈さん。一つひとつに違いがある個性豊かな手作りの品々は、心を豊かにするだけでなく、物を大切に扱う気持ちも思い出させてくれます。(写真は調金作家・久保多恵子のジュエリー。平成29年(2017年)11月20日現在 ※時期によって展示は変わります)
●住所:福岡市中央区天神2丁目8-34住友生命ビル1階
●TEL:092-714-3767
●営業:とわーる12:00~19:00、モッコ11:00~19:00
●定休:月曜
●URL:http://blog.towa-ru-mocco.com/
■art space baku
西通りを北に抜け、大通りを2つ渡った所に「親不幸通り(※看板は旧・親富孝通りのまま)」という名のストリートがあります。『art space baku』は「親不孝通り」入口近くのビルの2階にひっそりと佇みます。こちらは昭和51年(1976年)に開廊した、福岡で最も歴史の長い老舗ギャラリー。かつては美術作家を目指す若手の登竜門的な場所でしたが、年月を重ね、現在ベテランとなった作家も数多くここで定期的に新作を発表しています。国内外で活躍する野村佐紀子さんもその1人で、毎夏、“baku”にて新作展を行っています。もちろん引き続き、若手作家も紹介。
5.5坪の小さな空間で、現代美術作家を中心に、絵画、立体、映像、インスタレーションなど幅広く紹介しています。展覧会は2週間ごとに変わり、年間24~25本を開催。年末年始以外は休みもないので、いつ訪れても展覧会を楽しめます。(展示風景は「齋藤秀三郎展」より。平成29年(2017年)11月20日現在 ※時期によって展示は変わります)。
“baku”に来たなら、隣接の「屋根裏貘」に行かない手はありません。“baku”のオーナー夫妻が営む喫茶店で、同じく1976年に開業。古き良き時代の空気感が漂います。“baku”で展示中の作家がこちらに居ることも多く、運が良ければ作家から直接作品について話を聞くことも。取材日、ちょうど展示中の齋藤秀三郎さん(下写真中央)に出くわしました。御歳95歳の齋藤さんと、気兼ねなくお話しができるなんて!こういった作家との触れ合いこそが“baku”と“貘”の最大の魅力です。
もう一つの魅力が、ここでずっと作家をサポートし続けてきたオーナーの小田律子さん。「作家たちの生き様に力をもらえます。それを多くの人に感じてもらいたい」と話す小田さんを通じて、カウンターでは自然に人と人が繋がっていきます。昔も今も変わらずに、福岡の文化人が集うスペースなのです。
●住所:福岡市中央区天神3-4-14高栄ビル2階
●TEL:092-781-7597
●営業:11:00~20:00(展覧会最終日は~17:00)、屋根裏貘11:00~24:00
●定休:12月31日、1月1~3日
●URL: http://artspacebaku.net/wiki/index.php?information
ライター:木下貴子
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