観光 - ご当地ラーメン

絶対に食べるべき《長浜ラーメン》のまとめ

2017年12月15日 10:00

福岡名物・とんこつラーメンの代表格といえば、白濁した豚骨スープに細麺の組み合わせでおなじみの長浜ラーメン。これは昭和30年(1955年)ごろ、博多漁港に面する福岡市長浜の屋台街で誕生したことからこの名で呼ばれるようになりました。もとは、競りなどで忙しく働く魚市場の人たちに短時間でラーメンを提供できるよう、麵をゆで時間の短い細麺にしたのがはじまりです。細麺は伸びやすいため、1杯の麺の量を少なくして、お替わりができる“替玉”のシステムも、この長浜ラーメンから生まれました。“バリカタ”、“ヤワ”など注文時に、特殊用語が飛び交う長浜ラーメン。ここでは初体験でも戸惑わない長浜ラーメンの基礎知識と、福岡に来たら絶対に食べてもらいたい人気店をご紹介します。


長浜ラーメンのお約束

1 券売機でチケットを買う


長浜の屋台街から生まれた長浜ラーメンですが、現在はその名を冠した店舗として営業している店が多くなってきました。もともと<安い><早い><うまい>が信条の長浜ラーメン店ですから、よりスムーズなサービスのため、券売機でチケットを購入する店も少なくありません。
券売機は、どの店でも入口付近に設置されています。
まずは、ベースの“ラーメン”を購入。続けて、麵のお替わりをしたければ“替玉”、次に追加したいトッピング(煮卵、チャーシュー、きくらげなど)のチケットを選び、購入しましょう。サイドメニューの“餃子”や飲み物もすべて券売機でチケットを購入します。
注文したいメニューのチケットを購入したら、席につきましょう。

2 【麵の固さ】を選ぶ
席に着いたら、スタッフにチケットを渡しますが、その時、麵の固さを同時に伝えます。
ここが長浜ラーメン初心者だとちょっと戸惑うところです。
麺の固さには、基本的に“ナマ”、“カタ”、“フツウ”、“ヤワ” の4種類があり、
博多弁で言うと
“ナマ”/“バリカタ” (=すごくかたい)
“カタ”/“カタ”(=かたい)
“フツウ”/“やわ”(=やわらかい)
“ヤワ” /“バリやわ” (=すごくやわらかい)
“バリ”は博多弁で“すごく”という意味です。
ただ、“長浜ラーメン発祥の店”と言われる『元祖長浜屋』の流れを組む店では、前者のシンプルな呼び名の方が一般的。“バリカタ”というより“ナマ”とオーダーした方が、長浜界隈では“ツウ”に見えそうです。

3 <麵の固さ>を選ぶ~上級者編~
王道の長浜ラーメンを楽しむなら、“カタ”か“フツウ”がおすすめですが、上級者編にチャレンジしたいなら、一部の店には、“バリカタ”の上に、 “ハリガネ”、“粉落とし” “湯気通し”という固さもあります。
“バリカタ”は、ゆで時間だいたい20~60秒
“ハリガネ”(針金のように固い)は、10~30秒。
“粉落とし” (湯に通して、麺の粉を落とすだけ)は、2~10秒くらい。
“湯気通し”は もはや、ゆでずに“湯気に通すだけ”だけ!
重ねて言いますが、初心者の方には “ナマ” /“バリカタ”以下が無難です! 

4 <油の量>と<ネギの量>も選べる
一般的に、<油の量>は“ベタ(油の量が増える)”、 “フツウ”、“ナシ(油の量が減る)”の3段階。<ネギの量>は“ネギオオメ”、“ネギナシ”など、注文時に麵の固さと好みを伝えます。
ただし、すべて“普通”でよければ、わざわざ申告する必要なし。
参考までに、『元祖長浜屋』の一番人気のオーダーは
「ベタナマネギオオメ!」とのこと。
博多っ子の味を試してみたい方は、ぜひまる覚えしてオーダーしてみてください。

5 テーブルの上のゴマ、紅ショウガ、ラーメンダレはお好みで


長浜ラーメン店のテーブルに標準装備してあるのがゴマと紅ショウガ。ゴマはスープにより濃厚なコクと旨味を、紅ショウガはとんこつのこってり味を和らげ、口の中をリフレッシュさせてくれます。



ラーメンダレは、替え玉した時に薄くなるスープの味を調えるために使います。
『元祖長浜屋』では、ステンレスの鍋に入った替え玉が登場。麵を自分の丼に投入したら、お好みでラーメンダレを加えましょう。替玉を考慮して、スープを先に飲みすぎず、ちゃんと残しておくように気をつけしましょうね。

絶対に本場福岡で食べるべき長浜ラーメン3選
■元祖 長浜屋


昭和27年(1952年)に創業した老舗。長浜ラーメンの元祖とされる「ラーメン」(500円)は、地元民のソウルフードとして世代を超えて愛されています。豚のアバラ骨やゲンコツをじっくり炊いたスープはあっさり。細麺はのびやすいのでメニューに大盛りはなし。麺だけをお替わりする「替玉」(100円)発祥の店としても有名です。


●住所:福岡市中央区長浜2丁目5-25
●TEL:092-711-8154
●営業:4:00~OS翌1:45
●定休:なし
※外国語メニュー なし(「替玉」のみ英語表記あり)


■Long Beach(ロングビーチ)


長浜エリアに残る数少ない屋台の一つ。豚の頭骨を時間かけて炊いたスープが自慢の「ラーメン」(500円)は、臭みがなくあっさりしていて、飲んだ後の“シメ”にもおすすめです。麺はスタンダードな細麺ストレートで、スープもよく絡んで相性抜群。替玉は100円。焼鳥や日向赤鶏塩焼など、ラーメン専門店にはない屋台らしいメニューも揃います。


●住所:福岡市中央区長浜3丁目「福岡市中央卸売市場鮮魚市場(通称:長浜市場)」南側
●TEL:090-5473-9588
●営業:19:00~翌1:00
●定休:木曜、荒天時
※外国語メニューあり(英語・中国語・韓国語)


■長浜 満月


オープンは平成29年(2017年)6月。元々、長浜で30年以上屋台を営んでおり、その屋台を丸ごと店内に収めた造りが特徴です。当時と変わらぬ「ラーメン」(550円)は、豚の頭骨とゲンコツを炊いたスープ。あっさりしていながら、コクとほんのり甘味を感じさせます。「替玉」は120円。屋台時代に提供できなかった刺身も食べられるようになりました。


●住所:福岡市中央区長浜2丁目5-109
●TEL:080-3963-1105
●営業:18:00~翌2:00
●定休:不定
※外国語メニューなし


ほかにもある長浜ラーメンの名店
■長浜将軍 長浜本店

創業20年以上、今や博多ラーメンに付き物のからし高菜を、「たかなラーメン」として初めてラーメンと一緒に提供したのがこの店。ラードは使わず、開業以来の製法を守り続けています。夕方17時までランチメニューあり。
●住所:福岡市中央区長浜2丁目5-10
●TEL:092-712-3663
●営業:11:00~22:00(日曜日 11:00~19:00)※ランチは15:00まで
●定休:月曜
●URL:http://www.syogun.co.jp


■長浜ナンバーワン  長浜店
創業は昭和46年(1971年)。“長浜ラーメン発祥の地”で屋台の味を守り続ける人気店。ネギとチャーシューをのせるだけのシンプルな見かけで、トロみがあるのにクセのない豚骨スープが特徴。手作り餃子もおすすめ!
●住所:福岡市中央区長浜2丁目5-22
●TEL:092-725-5545
●営業:8:30~17:30
●定休:1月1日
※多言語メニューあり(英語)


■長浜屋台 やまちゃん 天神店
長浜の屋台を元祖とする正統派長浜ラーメンの店。長浜公園の近くの大きな赤い暖簾が目印です。ラーメンはもちろん、玄海灘で捕れた旬の魚や焼き鳥、ホルモンなど博多の味も存分に楽しめて、観光客、地元民両方に人気。
●住所:福岡市中央区舞鶴1丁目4-31 舞鶴コーポラス1階
●TEL:092-715-8227
●営業:
月・水・木18:00~翌4:00(OS翌3:30)、金・土・祝前日18:00~翌4:30(OS翌4:00)、日・祝18:00~翌03:30(OS翌3:00)
●定休:火曜・年末年始
※多言語メニューあり(英語、韓国語)
●URL:http://nagahama-yamachan.jp


ライター:山内淳/エヌ・プラニング

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