提供:大砲ラーメン(昔ラーメン)
観光 - ご当地ラーメン
《久留米ラーメン》早わかり!わざわざ行っても食べたい久留米ラーメン店ガイド
2017年12月15日 08:00
外国人観光客にも大人気のとんこつラーメン。その発祥の地と言われているのが福岡県久留米市です。福岡市内から特急電車で約30分、県南部の筑後地方にある、昔ながらの街並みと人情が残る街です。平成29年(2017年)“とんこつラーメン生誕80周年”を迎えた“とんこつラーメンの聖地”久留米には、ラーメンの名店がいっぱいあります。今回は、とんこつラーメン誕生の歴史からその特徴を含め、福岡市内からわざわざ出かけてでも食べたい久留米ラーメンの名店をたっぷりご紹介します。
↑明治通り文化街入口近くにある“とんこつラーメン発祥記念碑”
久留米ラーメンの基礎知識をお勉強
久留米ラーメンとは?
久留米市を中心に作られる、豚骨スープとストレートの細麺をベースにしたラーメン。福岡県内だけではなく、九州・山口地方のラーメンにも影響を与えたとんこつラーメンの元祖だと言われています。
とんこつラーメンはこうして生まれた!
“とんこつラーメン発祥の店”と言われているのが久留米の屋台「南京千両」です。創業者の出身地・長崎のちゃんぽんと、当時の横浜中華街や東京で人気となっていた中華そばから生まれた発想で、豚骨スープが考案されました。この時のスープは透明感のある“清湯(ちんたん)”だったと言います。一般的な白濁の豚骨スープが生まれたのは、その10年後。同じく久留米の屋台「三九」が、スープを取る際、あやまって豚骨を強火で煮立ててしまったことから偶然生まれたと言われています。強火で炊かれた豚骨スープには、清湯とはまた違う深いコクと旨味が。それ以降、白濁スープのとんこつラーメンが九州各地に広がったのです。
久留米ラーメンの特徴って何?
久留米ラーメンは、時に“ど・とんこつ”と呼ばれるような濃厚スープが特徴ですが、濃厚=こってり(油っぽい)ではありませんよ。<コクがあるのに、意外にさっぱり>、これこそが久留米ラーメンの魅力です。
麺は福岡市の長浜ラーメンや博多ラーメンよりやや太めで、固めのストレート。海苔を乗せる店が多いのが特徴です。ただ、具材はチャーシュー、ネギなど長浜や博多のとんこつラーメンと共通する部分も多く、トッピングは定番のきくらげの替わりにメンマを、また、味のアクセントにはカリカリに炒めた豚の背油を使用するなど、店によってバリエーションも様々です。
濃厚スープの秘密は?
久留米ラーメンの濃厚豚骨スープには秘密があります。それは、伝統的な“継ぎ足し”と呼ばれる製法で作られる“呼び戻しスープ”です。スープが減ってくると、別の釜で煮立てた新しいスープを継ぎ足していくため、何十年もずっと釡を空にしていない店も少なくありません。老舗うなぎ屋の蒲焼のタレと同様、継ぎ足すほどに旨味が増していくのです。これに対して、長浜ラーメンや博多ラーメンは、一定量の材料を一定時間煮出して作ったスープをその日のうちに使い切る“取り切り”と呼ばれる製法が一般的です。
美味しい久留米ラーメンの食べ方
ラーメンが出てきたら、まずはスープをひと口。最初は少し味が薄く感じるかもしれませんが、2、3回飲むとしっかりとした豚骨スープの味わいとコクを感じることができます。次に久留米ラーメンならではの<カリカ>(豚の背油をカリカリに炒めたもの)をスープと一緒に味わい、麺、具と食べ進めていきましょう。最近では長浜ラーメンや博多ラーメンの影響で、麵の固さを選ぶことができたり、替え玉のできる店も多くなっているようです。
また、久留米のラーメン店に行ったら、ぜひ試してほしいのが<焼き飯>。ラーメンに使う<元ダレ>が味付けに使われているので、ラーメンとの相性が抜群なのです!
わざわざ行ってでも食べたい久留米ラーメン3選
■沖食堂
昭和30年(1955年)に創業した、久留米における“食堂系ラーメン”のパイオニア。豚骨に鶏ガラを少々加えたスープの「ラーメン」(500円)は、わずかに甘味を感じるやさしい口当たり。飲めばしみじみと旨味が伝わり、まろやかなコクは感じるもののあっさりしています。住宅街の中に佇む店舗は、どこか懐かしいノスタルジックな雰囲気です。
●住所:福岡県久留米市篠山町330
●TEL:0942-32-7508
●営業:10:00~15:30
●定休:日祝日
※外国語メニュー:なし
●アクセス:
西鉄バス「西鉄久留米駅」より3番、6番、8番、20番他に乗り、「篠山3丁目」で下車。徒歩3分
■大栄ラーメン
昭和48年(1973年)の創業以来、継ぎ足してきたスープとフレッシュなスープを混ぜ合わせる、古典的な久留米ラーメン。「ラーメン」(580円)は豚の頭骨だけを炊き込み、日々バランスを調整しています。濃厚さはあるものの後味スッキリの飲み干せるスープに、<カリカリ>と呼ばれる豚の背脂からラードを作る際の副産物が味のアクセントです。
●住所:福岡県久留米市東町30-25
●TEL:0942-39-3977
●営業:11:30~15:00、17:00~21:30
●定休:水曜
※外国語メニュー:あり(英語)
●アクセス:西鉄久留米駅より徒歩5分
●URL:https://ja-jp.facebook.com/kurumetonkotsu/
■潘陽軒(ばんようけん)本店
昭和23年(1948年)に屋台として創業。現存する久留米のラーメン店では2番目に古く、今の場所には平成29年(2017年)1月に移転しました。当時の満州であらゆる料理のベースとなっていたスープをルーツに持ち、豚のゲンコツとアバラ骨によるスープと、鶏ガラスープを8:2の割合でブレンド。実にシンプルな、昔ながらの「ラーメン」(600円)が味わえます。
●住所:福岡県久留米市六ツ門町7-52 久留米ザ・ミッドタワー1F
●TEL:0942-35-2237
●営業:11:30~14:30(OS14:20)、17:30~翌2:00(OS翌1:40)
●定休:月曜、第2日曜
※外国語メニュー:なし
●アクセス:西鉄久留米駅より徒歩10分
ほかにもある久留米ラーメンの名店
■大砲ラーメン本店
昭和28年(1953年)創業。定番の「ラーメン」(630円)と、屋台時代のこってり味を再現した「昔ラーメン」(680円)が基本メニュー。創業以来、釜を空にすることなく継ぎ足された元祖“呼び戻しスープ”は、濃厚かつまろやかな口当り。
●住所:福岡県久留米市通外町11-8
●TEL:0942-33-6695
●営業:11:00〜21:00
●定休:1月1日
※多言語メニューあり(英語)
●アクセス:西鉄久留米駅から徒歩10分
●URL:http://taiho.net
■南京千両 屋台
昭和12年(1937年)創業の九州最古のラーメン店。水と塩にこだわり、全てのメニューにアルカリイオン水とモンゴル産の岩塩が使われています。驚くほどすっきりとキレのあるスープと、ぷりぷりのちぢれ麺が特徴です。
●住所:福岡県久留米市東町36 熊本ファミリー銀行前
●TEL:0942-22-6568
●営業:19:30〜翌3:30
●定休:日曜
●URL:http://www.nankinsenryou.jp
ライター:山内淳/エヌ・プラニング
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