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「博多祇園山笠」の舞台となる博多の総鎮守『櫛田神社』は見どころ満載!
2017年12月08日 18:00
博多の総氏神様としては最古の歴史を有し、天平宝字元年(757年)の創建とされています。天正15年(1587年)には豊臣秀吉が博多復興にあたり、現在の社殿の建立寄進がなされました。「博多祇園山笠」が奉納される神社でもあり、博多っ子たちから“お櫛田さん”の愛称で親しまれています。博多を訪れたのなら、絶対に押さえておきたいスポットの一つです。
毎年7月1日~7月15日に行われる国重要無形文化財の「博多祇園山笠」は、諸説ある中で、聖一国師が仁治2年(1241年)に疫病のため施餓鬼棚に乗って祈祷水(甘露水)を撒いたのが始まりとされています。そして平成28年(2016年)には、ユネスコ無形文化遺産として登録されました。「博多祇園山笠」には、肩に担いで博多の町を走る「舁き山(笠)」と見物用に展示される高さ10~15mの「飾り山(笠)」の2つがあります。通常、「追い山(笠)」の終了と共にどちらの山笠も解体されますが、『櫛田神社』には「飾り山(笠)」が常設展示されています(翌年7月1日に作り替えられます。6月中は新しいものの作成期間のため見ることができません)。
さて、『櫛田神社』を参拝すると共に、境内の見どころをご案内。まずは楼門をくぐる際に、上を見てみましょう。この天井から吊り下げられた「干支恵方盤」は、内側に東西南北の方位を表し、外側には十二支を配して恵方(縁起のいい方角)を示しています。毎年大晦日に矢印を回転させ、新しく迎える年の恵方を示す珍しい干支暦です。
境内には英語・中国語・韓国語でも記された『櫛田神社』や「博多祇園山笠」の説明、英語表記付きの境内図もあります。
楼門をくぐったら、参拝する前に『手水舎』で身を清めましょう。手順としては、最初に柄杓で水をすくって左手を洗い、次に右手を洗います。そして左手に水を受けて口をすすいでください。最後に左手を洗ったら、柄杓を立てて流れ伝わる残りの水で柄を洗って元の場所に戻します。
参道を通って拝殿の前に来たら、お賽銭を入れて鈴を鳴らします。神社では「二拝二拍手一拝」で参拝するのが一般的。手順としては、2回深くお辞儀をして、2回柏手を打ち、日頃の感謝の気持ちを伝えたら1回深くお辞儀をします。
拝殿の破風を見ると、左右に木彫りの風神と雷神が掲げられています。風神が“あっかんべぇ”をして雷神から逃げている様子で、ユーモアあふれる博多っ子の気質を表しているといわれています。
参拝を終えたら、おみくじで運試し。『櫛田神社』では日本語だけでなく、英語・韓国語・中国語・台湾語も用意されています。
『櫛田神社』の御祭神は大幡主大神・天照皇大神・素戔嗚大神で、御神徳は商売繁盛・不老長寿(健康)・厄除けなど。お守りやお札などの授与品をお求めの方や、絵馬や祈願の受付けは、拝殿の横にある「御札所」へ行きましょう。
拝殿の前には「霊泉鶴(れいせんつる)の井戸」と名付けられた井戸があります。信仰の上では、本殿真下近くから湧き出ていることから、本人・家族・親族の無病息災を願う霊水として長年にわたり大切にされてきたそうです(現在は飲用不可)。
数多くある社宝のうち、歴史的にも民俗史料としても価値の高いものを厳選して展示する「博多歴史館」。博多の伝統行事や祭典に関する史料・遺俗文化財が陳列公開され、博多に縁の深い豊臣秀吉の法文書や朱印状などがあります。特に古代山笠六本の復元展示は、誇り高い伝統山笠の粋美を今に伝える現代博多人形師たちの入魂精緻の傑作です。館内では迫力ある追い山(笠)の様子も上映しています。
樹齢1,000年ともいわれ、長寿延命のシンボルとされる御神木のイチョウ。県の天然記念物に指定される高さ20m以上もある巨木で、博多のハレの舞台に欠かせない「博多 祝い唄(祝いめでた)」では「さても見事な櫛田の銀杏(ぎなん)」と歌われています。紅葉のシーズンに黄色に色付くイチョウは見事です。
境内の一角に並ぶこれらの石は「力石」と呼ばれています。昔、卯日相撲が盛んに行われており、多くの有名力士が力自慢に持ち上げた石を奉納したそうです。近年も白鵬や朝青龍など歴代横綱によって奉納されています。
豊臣秀吉の太閤町割りによって復興した市街には、戦火で焼け残った石や瓦などを厚く塗り込んだ土塀があり、これを「博多べい」と呼んでいます。『櫛田神社』のそれは、博多三傑の一人、嶋井宗室の屋敷で380余年の風雪に耐えたものを移築再建したものです。
商都・博多の中心部に鎮座する『櫛田神社』は、博多っ子から厚い信仰を受ける神社。観光的見どころもたくさんあり、県外からの観光客や訪日外国人も大勢訪れています。
【年中行事もチェック!】
節分の季節になると、“日本一”ともいわれる巨大な「おたふく面」が楼門・北神門・南神門の3か所に登場。豆まき神事では能舞台から年男・年女・知名士による豆まきが行われて賑わいます。大祭当日に境内に現れる赤鬼・青鬼に抱きつかれると厄落としになるのだとか。
「博多祇園山笠」では、7月12日の「追い山ならし」と7月15日の「追い山(笠)」で境内に特設された「清道」で行われる奉納行事のことを「櫛田入り」と呼びます。早朝4時59分の一番山を皮切りに七流の「舁き山(笠)」が順に奉納を行い、約5kmのコースを疾走して走破タイムを競います。
10月24日の「御神幸」は、牛車に引かれる神輿行列・ブラスバンド・稚児行列などによる、絢爛豪華な秋の博多の風物詩。昭和28年(1953年)から名称を「博多おくんち」と改め、現在のパレード形式をとり、賑やかに挙行されています。
2月2日 福迎え祭(11:00~)、神楽奉納(17:00~)
2月3日 節分大祭(9:00~)、豆まき神事(10:00~16:00)
5月3日 稚児舞奉納(8:20~)、春季大祭(9:00~)
5月3日~4日 三福神表敬(8:40~)、奉納演芸(9:00~17:00)
7月12日 博多祇園山笠 追い山ならし(15:59~)
7月13日 博多祇園山笠 集団山見せ(15:30~)
7月15日 博多祇園山笠 追い山(笠)(4:59~)
10月初旬 奉納相撲・柔道大会
10月22日 神輿潔め(16:00~)
10月23日 秋季大祭(11:00~)
10月24日 御神幸・おくんちパレード(14:00~)
【周辺スポット】
■博多町家ふるさと館
明治・大正期を中心に博多の暮らしを3棟で紹介。商家に伝わる民具の展示や博多の伝統工芸品の実演を見ることができる。
●住所:福岡市博多区冷泉6-10
●TEL:092-281-7761
■はかた伝統工芸館
博多織や博多人形、福岡・博多に縁のある伝統工芸品を展示・紹介。多彩な展示会やワークショップ、講演会なども開催する。
●住所:福岡市博多区上川端町6-1
●TEL:092-409-5450
■櫛田神社■
●住所:福岡市博多区上川端町1-41
●TEL:092-291-2951
●営業:
参拝4:00~22:00、
社務所9:00~17:00、
博多歴史館10:00~17:00(最終入館16:30)
●料金:博多歴史館:大人300円、高校・大学生200円、小中学生150円、小学生未満無料
●定休:博多歴史館:月曜(祝日の場合は翌日)
※多言語案内板あり(英語・中国語・韓国語)
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