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世界唯一!アジアの近現代美術を専門にする美術館。アジア23カ国・地域をくまなく網羅

2017年12月15日 08:00

博多リバレイン7・8階にある『福岡アジア美術館』(通称“あじび”)は、世界で唯一、アジアの近現代の美術作品を系統的に収集し展示する美術館です。今でこそ、世界中でアジア現代美術は注目されていますが、“あじび”が開館した平成11年(1999年)においては、まだ広く認知されていませんでした。そんな意味でも“あじび”は、世界に先駆けて近現代のアジア美術に注目し発信し続けてきた、独自のビジョンをもつ美術館ともいえるでしょう。


アジア23カ国・地域を網羅したコレクションは約3,000点におよびます。7階の「アジアギャラリー」では、アジア美術を歴史的にたどった「アジアの近代から現代まで」と様々なテーマ展によってコレクションを紹介しています(テーマや展示作品は随時変わります)。「アジアの主要美術館では、その国や周辺国の美術作品が主に集められています。当館の場合は、アジア全域を対象に展示しているので、例えばその時代にどんな作品が作られたのか、地域や国ごとに比較する楽しみ方もできます」と学芸員の五十嵐理奈さん。

アジアギャラリーで展示されている「アジアの近代から現代まで」のコーナーより。近代美術の巨匠から現代のアーティストまで、絵画や彫刻など多彩な作品が展示されています(展示風景は平成29年(2017年)11月21日現在 ※時期によって展示は変わります)。



「欧米圏のお客様は、自国にない視点で紹介されているアジア美術に興味を持っていただいたり、逆にアジア圏のお客様はご自身の国の作品がここで見られることを喜ばれたり。外国のお客様みなさまにとても楽しんでいただいています」と話すのは、アジアギャラリーを案内してくれた広報の平野咲季さん。外国の来館者にも作品について知ってほしいと、すべての作品の解説文は和英にて表記され、さらに代表的な名品には、韓国語、繁体字、簡体字も加えた5言語で表記されています。


ちなみに館内のサインも5言語にて表記。


収集・展示に並ぶ、“あじび”の大きな特徴のもう一つに、アジアからアーティストや研究者を招へいするレジデンス・プログラムがあります。約2カ月に渡ってアーティストや研究者たちが、滞在制作や研究、交流イベントなどを行うというもので、滞在期間とのタイミングが合えば作品の制作風景や、ここ福岡で生み出された新作なども見ることができます!

2016年に滞在した台湾のアーティスト、ロー・イーチュンの制作風景。干してアイロンで伸ばしたバナナ1,000本分の皮を使って作品を制作中の様子です(2016年11月撮影)。


アート以外のお楽しみも。まずは、7階にある「ミュージアム・カフェbyイエナコーヒー」をチェック!


現在は、福岡市中央区警固にあるコーヒー専門店「イエナコーヒー」が運営していますが、コーヒーの美味さは平野さんからも折り紙つき!ほかに軽食やスイーツなども楽しめます。2018年4月からは、本が楽しめるアートカフェとして生まれ変わります。お楽しみに!!(2018年1月以降、工事のためお休みの期間があります)


スコーンやクッキーなどの焼き菓子も。


お土産用のコーヒー豆も販売。“あじび”限定ブレンド「アジアの翼」(180g 1,000円)と、「今月のコーヒー」(150~180g 1,200円)の2種類があります。


続いて、7階の「ミュージアム・ショップ・ロンホァ」。 図録などの“あじび”のオリジナルグッズはもちろん、アジア各地のアートグッズや雑貨、アクセサリー、書籍など魅力の品々が揃っています。


“あじび”のコレクションや過去の企画展出品作品がデザインされたポストカード。1枚108円。


インドのセレブご用達のステーショナリーブランド「チマンラール」の商品も。メッセージカード(432円)、封筒(432円)など。


色鮮やかなフェルト製のモビールは、キルギス製。1個1,080円。


館内には子どもたちが遊べるキッズコーナーや授乳室も完備されているので、小さなお子様連れでも安心して利用できます。

キッズコーナーにはパズルや積み木などの玩具や、アジア各国の絵本や漫画も用意されています。



アジア美術の近代から現代まで、巨匠から若手の作品まで。アートを通して、アジアの歴史と“今”を感じることのできる美術館。20時まで開館しているので、ゆっくり時間をかけてアジアとアートに触れてみませんか?


■福岡アジア美術館
●住所:福岡市博多区下川端町3丁目1リバレインセンタービル7・8階
●TEL:092-263-1100
●開館:10:00~20:00
●休館日:水曜(祝日の場合は翌平日)
●URL:
http://faam.city.fukuoka.lg.jp/home
※多言語対応あり(英語、韓国語、中国語)


ライター:木下貴子


プレイス情報PLACE

福岡アジア美術館

住所 福岡市博多区下川端町3丁目1リバレインセンタービル7・8階

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