観光 - 太宰府に行く

1100年の歴史浪漫を伝える、菅原道真公を祀った天神様の総本宮

2017年12月13日 11:00

太宰府天満宮とは…
福岡随一の観光地『太宰府天満宮』。年間1000万人近い参拝客が訪れ、学業成就、厄除、家内安全などを祈願しています。御祭神である菅原道真公(すがわらみちざねこう)は、平安時代に一流の学者であり政治家でした。学問の神様“天神さま”として名高いのはそのためです。初詣はもちろん、受験前の合格祈願で訪れる人がとても多いのです。日本各地に菅原道真公を祭神とする神社は1万社以上あると言われており、『太宰府天満宮』はその総本宮と称えられています。社殿の歴史としては10世紀初めから始まりますが、現在の本殿は天正19年(1591年)の建築。国の重要文化財に指定されています。

菅原道真公の生涯


承和12年(845年)に生まれた道真公はわずか5歳で和歌を詠み、11歳で漢詩を創作し、神童と呼ばれていました。平安時代前期、時の天皇の厚い信任を受け、右大臣の位に就任。国家の発展に尽くしていましたが、左大臣・藤原時平(ふじわらのときひら)の政略により、無実の罪を着せられ、大宰府に左遷されてしまいました。異例の出世をねたまれたことが原因であると言われています。その2年後(903年)、罪が晴れることなく逝去しました。道真公の遺体を牛車にのせて進んでいたところ、急に牛が伏せ、動かなくなってしまいました。門弟は「道真公の御心である」とこの地に遺体を葬りました。死後、名誉を回復し、天満大自在天神として祀られ、延喜19年(919年)に墓の上に建てられたのが太宰府天満宮の由緒だと言われています。そして、“天神さま”と呼ばれ尊敬を集めるようになったのです。

天神様にお参りしよう!!


お参りの前には心身をきれいな状態にしましょう。御本殿に続く参道の脇に“手水舎(てみずしゃ)”があります。柄杓に水を汲み、まず左手を洗い、次に柄杓を持ちかえて右手を洗います。右手に柄杓を持ちかえ、左手に水を受け、その水を口に含んですすぎます。柄杓に直接口をつけたり、水を飲んだりしてはだめですよ。最後にもう一度残った水で左手を洗います。心身を清めたら、“ご神前(御本殿)”の前へ。軽く会釈をした後、二拝二拍手一拝です。お賽銭を入れ、二回お辞儀をして、二回拍手した後、手を合わせたまま感謝の気持ちや願いごとをお祈りします。最後に一回お辞儀をします。
道真公を崇拝する天神信仰は、平安時代から現在にいたるまで続いています。初めに広まったのは“学問の神様”として。その後、“書道の神様”、“和歌・連歌の神様”としても慕われました。江戸時代になると寺子屋の普及により“学問・手習いの神様”、“子どもの守り神”として敬われるようになりました。左遷後も皇室のご安泰と国家の平安を祈るなど清廉潔白な生涯を送ったことから、“至誠の神様”としても信仰されています。また、寛和2年(986年)から続く除災招福を願う“鬼すべ神事”などか受け継がれていることもあり“厄除の神様”としても親しまれています。

境内の見どころ


茅葺屋根で荘厳な本殿と合わせて、境内には様々な見どころがあります。本殿の右側にある“飛梅(とびうめ)”は道真公が大宰府へ左遷された際に、道真公を慕って一夜のうちに京から飛んできたという伝説を持つ御神木。毎年、1月下旬から2月上旬にかけて見ごろを迎えます。


本殿入口に建ち、威風堂々とした佇まいを見せる“楼門”。重層の入母屋造り、檜皮葺きの二重門です。


境内にある“心字池(しんじいけ)”は、漢字の“心”の字を象った池です。“楼門”へと続く3つの橋は、過去・現在・未来を現し、三世一念の仏教思想を残したものと伝わっています。朱色の欄干を持つ太鼓橋を渡ると、心身ともに清められると言われています。




道真公が丑年(うしどし)の生まれであることや、前述の、本殿創建には牛が関わっているお話などもあり、境内には銅製・石製の牛像がいくつも奉納されています。この“御神牛(ごしんぎゅう)”の頭を撫でると知恵が授かるという信仰が古くからあるのです。“御神牛”を巡る散策もおもしろいですね。土産物屋が並ぶ参道を上り詰めた正面にある“御神牛”の前は、いつも多くの人でにぎわっています。
その他にも、太鼓橋の手前に建てられた“中世の鳥居(福岡県指定文化財)”、“心字池”の横にあり室町時代に建てられたと言われる檜皮葺きの社“志賀社(しがしゃ)”、道真公ゆかりの品や国宝を収める“宝物殿”など見どころは多数。できればゆっくりと時間をとって、太宰府天満宮を満喫したいですね。


<One Point Info> 境内を彩る花

『太宰府天満宮』境内は季節の花で彩られます。その時期に訪ねれば天満宮の新たな魅力を発見できるかもしれません。


2~3月には境内に約200種6000本の梅が花を開き、境内は気高い香りに包まれます


「花菖蒲」の見頃は6月初旬〜6月中旬。紫、白、白紫など約40種3万本が咲き誇ります。開花時期には夜間照明も行なわれ、幻想的な姿を見せてくれます


菊花を愛でた道真公にちなみ、毎年11月に“菊花展”が開催されます。愛好者が丹精込めて育てた力作が約1500鉢展示されます。


■太宰府天満宮

■開門時間
春分の日から秋分の日の前日まで6:00
秋分の日から春分の日の前日まで6:30

■閉門時間
4・5・9・10・11月は19:00
6・7・8月は19:30
12・1・2・3月は18:30

※12月31日は6:30に開門し、1月1~3日は24時間開門

●問合せ:太宰府天満宮社務所
●住所:福岡県太宰府市宰府4丁目7-1
●TEL:092-922-8225(9:00~17:00)
●URL:http://www.dazaifutenmangu.or.jp/


ライター:山本美智子


プレイス情報PLACE

太宰府天満宮

住所 福岡県太宰府市宰府4-7-1

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