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大興奮!『楳図かずお大美術展―マンガと芸術の大転換点―』に行ってきた。体験レポート

※このイベントは2024年3月17日(日)をもって終了しました。

2024年03月12日 17:00

『先見的な世界観や原始的なビジョン。』
普通の漫画家という枠に収まらない才能を持った、芸術家「楳図かずお」の作品展が、福岡三越9階「三越ギャラリー」で好評開催中です。

大興奮の作品展の様子を、楳図かずお作品のプロデューサー上野さんのお話と共に熱量たっぷにお届けします!

【 み ど こ ろ 】

地球規模の気候変動や自然災害の多発による人新世の到来、AIやロボット工学が暗示するシンギュラリティの予感、さらには人が神の領域に立ち入る遺伝子工学やハイブリッド生命体の誕生など…
本展が焦点を当てるのは、驚くほど生々しく描かれた、楳図かずおの先見性に満ちた代表作『わたしは真悟』『漂流教室』と『14歳』。そして、比類なき芸術家楳図かずおの27年ぶりの新作『ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館』を初公開。全101点の連作絵画としてご鑑賞いただけます。

みどころを確認しつつ足を踏み入れると、まずはメインビジュアルでお出迎え!
圧巻のビジュアルを拝みつつも、後ろに見える作品が気になります。


まずは『漂流教室』のゾーン。

荒廃した未来世界に校舎ごと送られてしまった主人公の少年・高松翔ら、小学校児童たちの生存競争を描いた作品。設定が大幅に変更されているものの、ドラマ化された事でご存知の方も多いはずです!

72年~74年の高度成長期真っただ中の作品。この時代の漫画というと、恋愛やスポーツなどストレートでハッピーな物語が多い中、ディストピアを描いたこの作品は、当時人々夢中にさせると共に、とてつもない衝撃を与えました。現在にも通じるパンデミックの世界を描いており、楳図先生の先見性が垣間見れる作品です。

 

『わたしは真悟』のゾーン。

恐怖漫画の第一人者である楳図先生が、恐怖テイストを控えめにして、神とは何か、意識とは何かといった、形而上学的なテーマに挑んだ意欲作。

この作品の主人公は、工場で部品を組み立てているアーム型のロボット、、、聞いたたけでは「?」なこの作品、物語はこの産業用ロボットが意識を持ち、進化し、人間になろうとしていく様を描いています。82年~86年の作品でありながら人工知能やAIをテーマとしており、インターネットが発達していないこの時代に、またしても楳図先生の先見性が際立った代表作となっています。

       ※↓主役です。

     
        

 

『扉絵』のゾーン

スピリッツでの隔週の連載「わたしは真悟」を描いていた当時、楳図先生は時間や力を持て余した為、扉絵に力を注いだそうです。結果、素晴らしいアーティスティックな作品が続々と掲載されました!

90点余りある作品を5つのモニターで次々と見ることができ、なかなかボリューミーです。

現在であればコンピューターグラフィックでササっと描けるドット絵や線画等を、楳図先生は一本一本定規を使い丁寧に描いていました。にもかかわらず、ほとんどの作品を大体1日~2日で書き終えていたそうです。はい、これぞ天才です。

とても細かいので是非近くで確認してほしいです!

 

『ZOKU-SHINGO 小さなロボット シンゴ美術館』のゾーン

101点の連作絵画。本展のメインゾーンです!

“アイ”の行方シンゴの物語【第二章】。
制作に4年の期間を費やし、完成した本作はアクリル絵画による101点の連作という方式を採っています。1980年代に描かれた『わたしは真悟』の続編であり、 同時に時空を超えたそのパラレル・ビジョン(並行世界)でもあります。

漫画のようなコマ割りはなく1点1点の絵画作品ですが、101点つなげて読むと漫画のストーリーとして楽しめるという、漫画とアートを融合した良いとこ取りの作品です。

楳図先生はこの作品について“1点1点も楽しめるが、101点を1つのアートとして考えているので、読み飛ばしたりせず順番通りに、且つキャプションも必読して欲しい”と考えており、その為作品に番号をつけ、間隔や幅、枠の色等細部までこだわって制作をしたようです。

先生!全て素晴らしいので飛ばしようがないですよ!

また、日々新しいことにチャレンジされている楳図先生。今回の作品では、新たな色付けの画材としてアクリルガッシュを使用したようです。(いつもは、水彩画やコピックペンを使用していたようです。)印刷で出せない蛍光色や金色を多用しており、原画でしか確認できないので、この展覧会のオススメポイントの1つです!

『シンゴ美術館』のハイライト、ロボットの歴史が曼荼羅のように描かれています。3点の作品を繋いだ大断幕では、両サイドのロボットの肩に各々デザインの違う家紋が描かれていたり、絵の中に“絵”を描いていたりと、作品を細部まで確認することができます。

 

『素描』のゾーン

原画カラー作品の“下絵”が、再び101点展示されています。

101点のカラー作品の完成が期日までに間に合わず、間に合わない作品は下絵で展示をする予定になったようです。
しかしコロナで自粛期に入り、展覧会も延期となりました。
その為カラー作品は間に合い、そのまま展示できるくらいクオリティの高い下絵もでき、101点の作品が2パターンできたようです。

カラーにはカラー、素描には素描の楽しみ方や良さがあり、例えば素描において風の表現は消しゴムを使用しており、カラーでは出せない表現となっています。
直接見て違いを確認しましょう!

 

『14歳』のゾーン

人類の破滅をテーマとし、楳図先生の代表作『漂流教室』の続編ともいえる作品。環境破壊による人類滅亡、危機的状況を乗り切ろうとする子供たちの奮闘、親子の絆と別れといったテーマを圧倒的な迫力で描ききっています。

遺伝子操作・培養肉・ウイルス等を題材としており、90年~95年の作品ながらまたも未来を予期する内容が描かれています。

 

最後に『未来へ』

「14歳」のラストシーン。当初の連載ではなく、7年後に書き足したページで真のエンディングとなります。
楳図先生は、「14歳」は人類の滅亡という悲惨なテーマだった為、ラストでは子供たちが戻ってくる希望のシーンを描きたかったようです。

『恐怖・絶望』と対比するよう『希望・愛』をテーマにし、両方を描く事で両方が引き立つようになる。これは楳図先生の作品作りの特徴です。

 

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壮大な作品たちを見た後は、お待ちかねグッズのゾーン。
盛りだくさん!盛りだくさん!!
お財布が悲鳴を上げました。。。。

おススメは、ピンバッジ グワシ!(660円税込)

ステッカーシート(385円税込)

アパレルも充実しています。

みんな大好きガチャもありますよ!

 

以上!まだまだ書きたりないのですが、、、百聞は一見に如かず!
是非本展へ行き、圧倒的な世界観を体感してくださいね。

 

 

 

状況により営業日・営業時間、運営方法が事前に予告なく中止または変更になる場合がございます。ご来館の際は必ず、福岡三越公式ホームページにてご確認ください。

楳図かずお大美術展EVENT

―マンガと芸術の大転換点―

会場 福岡三越9階「三越ギャラリー」
期間 2024年3月2日(土)~2024年3月17日(日)
時間 10:00~19:00 (入場は閉館60分前まで)
※最終日は午後5時閉場。
※混雑の際は、お待ちいただく場合や整理券を配布する場合があります。
料金 一般・大学生1,600円  中学・高校生800円  ※全て税込

※未就学児は、18歳以上の保護者1名につき2名まで入場無料。
※障がい者手帳、療育手帳又は精神障がい者保健福祉手帳を所有している方もチケットの購入が必要となります。
ただし介助者が同伴される場合、介助者1名まで入場無料。
イベント公式URL https://umezz-art.jp/
主  催:「楳図かずお大美術展」福岡実行委員会
福岡展特別協賛:にしてつグループ

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