舞台

心に届く、心が動く新たな「劇団四季ファミリーミュージカル」

※このイベントは2022年2月16日(水)をもって終了しました。

2022年01月29日 11:00 by 深江久美子

子供たちへ、舞台芸術の面白さや楽しさを伝えるとともに、「生命の尊重」、「愛と勇気の崇高さ」、「友情と連帯の重要さ」など、人生を生きるために必要な精神や道徳を、明解なメッセージにして提示する――それが、「劇団四季ファミリーミュージカル」。そんな劇団四季による新作オリジナルファミリーミュージカル「はじまりの樹の神話~こそあどの森の物語~」が福岡市民会館にて2月15日(火)、16日(水)に上演されます。

 

撮影:樋口隆宏

今回、原作とした題材は、日本児童文学を代表する作家 岡田淳氏が手掛ける「こそあど
の森の物語」シリーズの中の同名の物語。こそあどの森で暮らし、一人の世界を楽しむ内気な主人公・スキッパーが、大昔から来た少女・ハシバミを助け出したことをきっかけに、巨大な樹をめぐっての神話と現実が交差するファンタジーとなっています。

テーマは人とのつながり。子どもから大人まで幅広く楽しめる作品になっています。ぜひ、感染予防をして鑑賞してみてはいかがでしょう。

撮影:下坂敦俊

●ストーリー
葉を枝いっぱいに茂らせた緑の木々が生い茂る森。スキッパーは、森の住人たちからの誘いに乗ることもなく、家で本を読みながら自分一人の時間を楽しんで暮らしていた。
ある夜、そんなスキッパーの家に尻尾が光る不思議なキツネ・ホタルギツネが息を切らして訪ねてくる。「死にそうな子を助けてほしい」と懇願され、一緒に森の奥に向かうと、巨大な樹に少女が両手を縛り付けられていた。縄を解いて少女を助けてやり、急いで降りて振り返ると、もうそこに樹の姿はない。驚きを隠せないスキッパーだったが、ホタルギツネに急かされるがまま、彼女を抱えて家に戻る。
少女の名はハシバミ。大昔から来たという彼女は、リュウの怒りを鎮めるためのいけにえとして巨大な樹に捧げられたという。恐ろしさのあまり、「心の声」で樹に助けを求めたところ、樹もまた「心の声」でホタルギツネに呼びかけ、時空を超えて現代までやってきたのだった。
事情を知った森の住人たちは、はじめは半信半疑だったものの、ハシバミを優しく迎え入れ、現代のあらゆることを教えながら森で一緒に楽しく過ごすようになる。そしてまたハシバミからも、自分の命は全て周りにある命と繋がっている、大昔からずっと繋がっていること、「サユル タマサウ ココロ」について学ぶ。
しかしある日、ハシバミはスキッパーに「私は村に戻らなければならない」と告げる。村に弟や妹を残して自分ばかりが平和に暮らしているわけにはいかない、過去に戻って自分の役目を果たしたい、という。すると、森の住人の一人・トワイエが、ある神話の話を持ち出してくる。あの巨大な樹は、世界の始めにあって、太陽や動物、人などを生んだ「はじまりの樹」ではないか。その神話では、樹に住み着いたリュウとハシバミという少女が戦い、退治したことになっている、と。
「過去に戻り、逃げずに戦いたい」というハシバミに対して、危険だからと反対する住人たち。しかし、スキッパーは「自分はハシバミの力になりたい。皆にも協力してほしい」という思いを仲間たちに伝える。スキッパーの真っすぐな思いに心を動かされた皆は、ハシバミのためになろうと力を合わせる。
ハシバミが過去に戻ってリュウと戦えるよう、樹を呼び出すために当時の楽器を作った
り、剣を作ったりと協力する仲間たち。ホタルギツネは再び樹と「心の声」を通じ合わせるため野生の暮らしに戻り、ハシバミは服も住む場所も変え、昔の感覚を取り戻そうとする。
そしてやって来た満月の夜。皆がハシバミの戦いに備える中、再び神話を読み直したスキッパーは、ある重要な真実を知る。ハシバミに真実を告げるため、既に戦いに向かった彼女の名を呼び続けるスキッパー。果たして、彼の声はハシバミに届くのか、そしてリュウとの戦いの行方は――。

取材・文:深江久美子
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はじまりの樹の神話~こそあどの森の物語~EVENT

会場 福岡市民会館
期間 2022年2月15日(火)~2022年2月16日(水)
時間 開場17:45、開演18:30
料金 大人/S席5,500円、A席 3,300円、子ども/S席3,300円、A席2,200円
チケット予約https://www.shiki.jp/tickets/

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