映画トピックス

2019年の映画を振り返り!勝手にセレクション3 〜洋画編〜

2019年12月30日 17:00 by 筒井あや

早いもので、2019年そして令和元年も終わりを迎えようとしています。そこで、今年観た200本超えの映画の中から、“これは本当に素晴らしい映画だった!好みのタイプ!”と思った作品を3本(3本に絞れないのを絞り出しました。。。!!)をここにご紹介します。すでに公開を終えてDVDやBlu-ray化している作品もありますが、これは映画館で観てよかった!という作品です。年末年始のお暇つぶしになれば、幸いです。

 

芝居がうまい女優が3人、バトルがごとき演技を魅せる!
『女王陛下のお気に入り』PG12 (2月15日公開)


© 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

【STORY】
時は18世紀初頭、アン女王が統治するイングランドはフランスと交戦中だった。アン女王を意のままに操り、絶大なる権力を握る女官長のレディ・サラ。そこにサラの従妹で上流階級から没落したアビゲイルがやってきて、召使として働くことになる。サラに気に入られ侍女に昇格したアビゲイルだったが、ある夜、アン女王とサラが友情以上の親密さを露わにする様子を目撃してしまう。サラが議会へ出ている間、アン女王の遊び相手を命じられたアビゲイルは少しずつ女王の心をつかんでいった。権力に翳りが見えたサラに、大きな危機が訪れる。それはいつの間にか野心を目覚めさせていたアビゲイルの思いがけない行動だった……。

【お気に入りポイント】
とにかくアン王女を演じたオリヴィア・コールマン、アビゲイル役のエマ・ストーン、レディ・サラ役のレイチェル・ワイズ、この3人の演技の巧さに圧倒されます。個人的には、この時代のヨーロッパのドロドロした王朝時代が大好きだということもありますが、それを差し引いても、素晴らしい作品でした。18世紀を思わせる城内の装飾美術もシックな豪華さで、宮廷モノのキラキラ感はほとんどなし。とはいえ、衣裳から小物にいたるまで細部までこだわっていて、まるで“絵画”を見ている気持ちになる。

さらにこの映画の面白いところは、歴史上の人物にも関わらず描いているのは、ざっくり言うとアン王女を巡って、二人の侍女がマウンティングしあう、ということ。二人が策をめぐらし、ウソ泣きして同情を誘ったり、有りもしない話で陥れようとしたり、その様は「女って、こええええ!」とうっかり思ってしまうほど。他にももっと熱弁したいことは映画の随所にあるのですが、あまり長文だと嫌われそうなので、とにかくダントツで“今年一番の映画”だったということだけお伝えいたします。Blu-ray出てるので、絶対観て!

【監督】ヨルゴス・ランティモス
【出演】オリヴィア・コールマン、エマ・ストーン、レイチェル・ワイズ、ニコラス・ホルト、ジョー・アルウィン、ジェームズ・スミス、マーク・ゲイティス、ジェニー・レインスフォード

 

バットマンの宿敵“ジョーカー”ではなく、ジョーカーという男の存在
『ジョーカー』 (10月4日公開)


©2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved” “TM & © DC Comics

【STORY】
「どんな時も笑顔で人々を楽しませなさい」という母の言葉を胸にコメディアンを夢見る、孤独だが心優しいアーサー。都会の片隅でピエロメイクの大道芸人をしながら母を助け、同じアパートに住むソフィーに密かな好意を抱いている。笑いのある人生は素晴らしいと信じ、ドン底から抜け出そうともがくアーサーはなぜ、狂気あふれる〈悪のカリスマ〉ジョーカーに変貌したのか?切なくも衝撃の真実が明かされる!

【お気に入りポイント】
実は、“あの”ジョーカーの話だとは知らずに映画を観ました。私が知っているジョーカーは、悪の権化のような存在だったのに、ここに描かれている姿は繊細な心理がゆえに、善と悪のギリギリを生きている一人の人間でした。エンターテイメントであると同時に、アーティスティックであり文学的でもある。コミックの中で悪役として生きているそれとは、真逆のようにも感じられたのです。そして何よりも、そんな複雑怪奇なジョーカーを演じた、ホアキン・フェニックスの存在も大きい。実際のホアキンのこれまでのキャリアと照らし合わせても、違和感がないというのも不思議ですが、彼だから、社会に押しつぶされそうになり、貧富の差や酷薄な環境を生み出す、社会的な側面も見せられたのだと思います。俳優とストーリーと演出と音楽が見事なバランスなのです。あと、これは知人が言っていて、なるほど!と思ったのは「この映画を観て、少しでも共感できるところがない人とは友達にはなれない」という言葉。同感!

【監督】トッド・フィリップス
【出演】ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ

 

ハリウッドの大スターがまさかの初共演!見どころだらけの名作
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』 (8月30日公開)

【STORY】
リック・ダルトンはピークを過ぎたTV俳優。映画スターへの道がなかなか拓けず焦る日々が続いていた。そんなリックを支えるクリフ・ブースは彼に雇われた付き人でスタントマン、そして親友でもある。目まぐるしく変化するエンタテインメント業界で生き抜くことに精神をすり減らし情緒不安定なリックとは対照的に、いつも自分らしさを失わないクリフ。この二人の関係は、ビジネスでもプライベートでもまさにパーフェクト。しかし、時代は徐々に彼らを必要としなくなっていた。そんなある日、リックの隣に時代の寵児ロマン・ポランスキー監督と新進女優シャロン・テート夫妻が越してくる。落ちぶれつつある二人とは対照的な輝きを放つ二人。この明暗こそがハリウッド。リックは再び俳優としての光明を求め、イタリアでマカロニ・ウエスタン映画に出演する決意をするが……。そして、1969年8月9日——それぞれの人生を巻き込み映画史を塗り替える“事件”は起こる。

【お気に入りポイント】
まさに初共演のこの二人がカッコイイ!もとよりブラピ、レオ様に食指を向けていなかったのですが、ブラピがこの上なくカッコ良かった。。。出過ぎず存在感と残像をずーーーっと残すという、神業的芝居。そして何よりも“面白い!”と感じたのは、脚本。タランティーノと言えば、その独特な感性でビジュアル的にもかなり注目を上げている監督ですが、前作の『ヘイトフル・エイト』や『ジャンゴ 繋がれざる者』でもトータル的な映画の出来よりも、ストーリーテイリングのうまさには、脱帽!です。
今回の映画は、1969年にチャールズ・マンソン率いるカルト集団に惨殺された女優・シャロン・テートの事件を題材とした実話をもとにされていますが、もちろん主人公・リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)と相棒のクリフ・ブース(ブラッド・ピット)は架空の人物。この事実とフィクションをうまく絡ませて、唯一無二の作品を作りあげているのです。さらに監督が大好きだという60年代から70年代のハリウッド映画界の変遷が織り込まれている。監督の映画への偏愛すら垣間見えるのも面白い。3時間くらいある作品で、途中、ここのシーンそんなに長く必要かな?と思うところもありますが、きっとその部分こそが監督がどうしても必要だと感じたんだろうなと、観終わってから思ったので、もう一度、今度はそこに焦点を当てて観てみようと思います。。。とはいえ。。。もう一度映画館で観たかった!!

【監督・脚本・製作】クエンティン・タランティーノ
【出演】レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット、マーゴット・ロビー、アル・パチーノ、ダコタ・ファニング、カート・ラッセル

 

 

・・・今回は、ベスト3とかじゃなくて、個人的偏愛の3本ですが、どれも全然違うタイプの作品です。なんらかの方法で、年末年始に観ることができそうなら、ぜひ!しかし、映画って、やっぱり映画館で観るように撮られているので、可能だったら2020年は映画館で観てください!!

 

 

 

 

 

取材・文:筒井あや
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