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喪黒福造の「ドーン!」のモデルとは!?藤子不二雄(A)先生にインタビュー!

※このイベントは2019年8月18日(日)をもって終了しました。

2019年08月09日 08:00

現在開催中の、「藤子不二雄(A)展—(A)の変コレクション—」の面白さを前編後編に分けてご紹介してきましたが、今回は藤子不二雄(A)先生にLOVE FMのDJ LUEが朝の番組「Top of the Morning」の中でインタビュー!展示会や、作品作りの裏側など、ファンはもちろんのこと現代を生きる私達にとっても教訓となる素敵なお話を聞く事ができましたよ!

——藤子不二雄(A)展がスタートしましたが、先生は実際に展示を見られていかがでしたか?

漫画家の展示会と言うと、原稿の展示が多いのですが、僕の作品を素材にして色んな楽しい展開になるといいなぁと思っていたら、スタッフが工夫して面白く色んな展開をしてくれて本当に良かったなと思います。私も会場を回らせてもらいましたが、僕自身も、とってもエンジョイできました。


——85歳を超えて、現在もなお精力的に活動されていますが、先生パワーの源は?

人間の元気と言うのは元”気”と言うだけあって、身体ではなく気持ちが大事なのです。いくら身体が丈夫でも、気持ちが弱ると病気になっちゃうし、逆に気持ちが元気だと身体がどんどん元気になっていくんですよ。そのためには、何でも面白がること。僕は子供の頃から漫画を描いてきたんですが、仕事としてではなく漫画を描く事が大好きなんです。
小さい頃、赤面症で「電熱器」と言うあだ名で呼ばれていて、それが嫌でね、今だときっと登校拒否になっていたと思うんですよ。ところが当時は戦時中で学校に行かないといけなくって無理やり登校していたんですが、家に帰るとすぐに漫画を描いていて、漫画を描いていると楽しくて、嫌なことも忘れて元気になっていたんです。

世の中楽しいことばかりじゃないし、嫌なことも多いけど、嫌だなぁと思うのではなく、毎日何か自分にとって面白いことを考えると気持ちや体が元気になるんです。

——人間の弱さや、いやらしさ、欲望など、なかなか焦点を当てないようなところに、先生は焦点を当てられていますよね。そういった作品を描こうと思ったきっかけは何だったのでしょう?

推理小説がもともと好きだったんです。アメリカの推理小説で「奇妙な味」というジャンルがあって、それが面白くてね、不思議な小説なんです。普通推理小説って言うと犯罪などが描かれますが、「奇妙な味」では、人間の奇妙な心理を描いています。その中でも特に、ロアルド・ダールやスタンリイ・エリンという作者の作品が好きで、いつかこういう漫画を描いてみたいと思っていたんです。
当時は、藤子・F・不二雄君と二人で「藤子不二雄」として活動していて、「オバQ」や「怪物くん」、「忍者ハットリくん」などの子ども漫画を描いていました。読者は大体が小学生。ところが僕は年を取って30歳近くなると、お酒飲んだりタバコを吸ったりゴルフをしたり、童心が失われ子ども漫画を描くことが苦しくなってきてしまいました。しかし、僕のパートナーの藤子・F・不二雄君は、お酒は飲まないゴルフはしない、そういった遊びをせず、子ども漫画を描くことができていて、このままじゃ藤子・F・不二雄君のマネージャーになるしかないのではと思っていました。そう思っていた時に、20代30代の青年向けの雑誌「ビッグコミック」で何か描かないかと声をかけてもらって描いたのが「笑ゥせぇるすまん」のもとの作品となった「黒イせぇるすまん」だったんです。この線ならいくらでも描けるぞ、と思って転向したんですね。

——先生の作品って、主人公に決めゼリフがあると思うのですが、それは作品を描いている段階で考えられているんですか?

喪黒福造の「ドーン!」は、同級生と麻雀をしていた時に友達のひとりが当たりを出す時、普通だと「ロン」と言って牌を倒すんですが、彼はニヤッと笑って指を出して僕に向かって「ドーン!」とい言うんですね。それが凄く衝撃的で、この「ドーン!」は何かに使えるぞと思っていました。やはり、実際にあったことを漫画にすると、読者の方にはすごく伝わったりするんです。

「笑ゥせぇるすまん」の中で、「途中下車」と言う話がありますが、これも実は、参考になることがありました。当時私は小田急線に乗って下北沢へ向かっていたんですが、電車の窓を見ていたらマンションのベランダに綺麗なお嬢さんがいたんです。ふと私の隣に立っていた定年間近くらいのサラリーマンの方の顔を見ると、そのサラリーマンの方もお嬢さんを見ていたんです。それから1ヵ月して、同じ電車に乗ったのですが、また同じサラリーマンの方がいて、ふとマンションを見たらこの前のお嬢さんはいなくて、そのサラリーマンの方の顔を見ると少しガッカリした表情をしていたんですね。これはネタになるなと思って「途中下車」を描いたんです。
「途中下車」は、そのエピソードをもとに「笑ゥせぇるすまん」では、喪黒福造がサラリーマンのおじさんの定年最後の日に、今日は電車を途中で降りて、その女性を会うことをそそのかすんですね。そのせいで最後は、とんでもないことになったというオチなのでが、そういった日常の中の出来事を作品の中に取り入れたりしています。

——番組「Top of the Morning」は、朝の番組ということで、先生の朝ごはんへのこだわりを教えてください

僕は曹洞宗のお寺に生まれて、子供の頃から肉と魚はほとんど食べたことがないんですよ。ずっと、お袋と奥さんの手料理を食べてきました。最近では、朝は自分でトーストを焼いて、グラノーラにミルクとカルピスを入れたものなどの4点セットを作って、テレビを見ながら1時間くらいかけて食べるのが楽しみなんです。


「藤子不二雄(A)展—(A)の変コレクション—」面白すぎた!<前編>はこちら>>

「藤子不二雄(A)展—(A)の変コレクション—」面白すぎた!<後編>はこちら>>


藤子不二雄(A)先生のインタビューはいかがでしたか?「藤子不二雄(A)展—(A)の変コレクション—」の開催期間は、8月18日(日)まで。是非実際に会場で、藤子不二雄(A)先生の世界を体感してください!


インタビュー場所:SPACE on the Station

藤子不二雄(A)展 -(A)の変コレクション-EVENT

会場 西鉄ホール
期間 2019年7月27日(土)~2019年8月18日(日)
時間 10:00~18:00 ※入館は17:30まで
料金 大人(中学生以上) 1,000円
こども(4歳~小学生) 600円
※3歳以下は、入場無料(但し、保護者同伴)


『笑ゥせぇるすまん』 BAR 魔の巣ピンバッジセット券
大人(中学生以上)1,300円 こども(4歳~小学生) 900円
カプセルトイ「変ケシ」コンプリートセット券
大人(中学生以上)2,600円 こども(4歳~小学生) 2,200円
※ローソンチケット限定販売
※いずれも数量限定(なくなり次第、販売終了)
イベント公式URL https://fujiko-a-ten.jp/
チケット販売ローソンチケット( L コード:82224)、チケットぴあ(Pコード:769-776)
主催西日本新聞社、RKB毎日放送、LOVE FM、東映、西日本鉄道
お問い合わせ 東映 TEL:092-291-6792(平日10:00 ~ 18:00)

プレイス情報PLACE

ソラリアステージビル/西鉄ホール

住所 福岡市中央区天神2丁目11−3 −6F
TEL 092-734-1370

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