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映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』瀬々敬久監督&佐藤健&土屋太鳳インタビュー

2017年12月06日 18:00 by 筒井あや

結婚式の直前に病に倒れ意識不明となった花嫁を、8年間待ち続けた新郎。「YouTube」に投稿された動画をきっかけに、「奇跡の結婚式」「号泣する実話」として一気に話題が広がり、TVや新聞、ネットなど数々のメディアで取り上げられ、海外にも拡散、2015年7月には「8年越しの花嫁 キミの目が覚めたなら」として書籍化もされた、あるカップルに起きた奇跡の実話を瀬々敬久監督が映画化。

W主演の佐藤健、土屋太鳳と瀬々敬久監督にインタビュー。

――オファーを受けた時の気持ちと役作りで心がけたことは?

佐藤健:オファーと同時にドキュメンタリーの映像を拝見しました。こんな人生が現実にあり得るんだということに衝撃を受けて、とても温かい気持ちになって感動しました。なので、たくさんの方にこの物語を知ってもらいたい、届けたいと思い、ぜひ出演したいと思いました。実際に中原尚志さんにお目にかかった時は、映像で観た時の印象とズレがなかったので、ブレない方なんだなと思いました。芯が強く、器が大きくて、あと笑顔が印象的でした。

土屋太鳳:尚志さんの愛情を注ぎ続ける姿と麻衣さんの生きようとする姿にとても感動しました。でもこれはただの感動の物語というだけではないなと思っていたのですが、映像を観ながら、自分に何ができるかな?と最初は思いました。役作りについては、一番に思っていたのは、麻衣さんや麻衣さんのご家族、尚志さんに尊敬の気持ちを持って、撮影に挑むことが大事だなと思ってクランクインを迎えました。お目にかかった麻衣さんは、とても可愛らしい方で、女子力があるのに豪快な笑顔が素敵な女性だったので、そういう部分もしっかり届けたいと思いました。特に最初の出会いのシーンは大切にしたいと思って、健先輩とも常にコミュニケーションを取らせていただいていました。

――瀬々監督は映画化するときに、気をつけられたことは?また、お二人の役者としての魅力は?

瀬々敬久監督:撮影前や脚本を執筆中にご本人たちにお会いしました。映画を作る時に大前提として、その人たちを傷つけることはしたくなくて、そこの配慮はしていました。それとお二人は、本当に普通の人たちなんです。お二人の話を聞いていて感じたのは、普通の生活の中にある小さな宝物というか、そういうものを大切に描いていけたらなということでした。それが最終的にお二人のためになるだろうなと気持ちでいました。そこは注意してやったことです。
佐藤さんと土屋さんへの僕の感想は、佐藤健さんはすごくインテリジェンスのある方です。知性の方です。僕はそう思います。これまでアクション映画など、身体性の高い役が多かったんですけど、僕は若手俳優の中ではおそらく一番知性があると思います。知性といっても学校の勉強ができるとかそういうことではなくて、物語の芯を掴む嗅覚というか、一瞬で全体を掴む勘というか、その中で物事を考えていく力に長けていて、そういう意味で、自分とは真逆の役である尚志さんをも、自分と折り合いを付けて演じていける力がある方なんだなと思っています。
土屋太鳳さんは、根性の人というか男前というか、気合いの人というか、そういう精神的な強さで、今まで切り開いてこられたんだと思います。そういう彼女の男前な部分が、現実の麻衣さんとすごく近い部分があったと思います。それがうまく繋がりました。でも僕たちがスクリーンで観ているのは、土屋太鳳であり、佐藤健であって、実は尚志と麻衣という役柄をそんなに観ていないのが実情だと思うんです。なので、佐藤さん、土屋さん二人のある部分が醸し出されて、この役になるという感じでドキュメンタリーの要素があると思っています。その部分は大切にして、描いていきたいなと思って作った映画です。

――麻衣さんと尚志さんに会った後、役作りに変化はありましたか?

佐藤健:変化はなかったです。確認しに行ったという感じでした。ドキュメンタリーの映像を見た時から、二人のことが大好きだったし、お会いしてやっぱり素敵な人でした。尚志さんの魅力ってそういうことなんだろうなと思って。実際にお会いしたら思った通り魅力的な方でした。なので、お目にかかった時は、自分が演じるために欲しい情報をもらいに行ったというか、自分が演じることを考えながら、お話させていただきました。尚志さんはこういう時は、こういう表情するんだとか、こんな話し方をするんだとか、そういう所を見ていました。

土屋太鳳:映像だけで、拝見していた時は、どんな方かな?と思ってたんですけど、お会いするとすごくかわいらしいというか、惹きつけられる方なんです。尚志さんも仰っていましたが、麻衣さんには人を惹きつける力があるんです。それって、人への思いやりや愛情がすごくあるのかな?と思って。麻衣さんと話をさせていただいた時に、この映画で愛情を大事にして欲しいと言われたので、より愛情を持って演じようと思いました。映像でも素敵な方だろうなと思っていた通りの方でした。

――監督はどのように演出されようと考えられましたか?

瀬々敬久監督:奇跡の物語で、実話ですけど、それは当然物語の中に脚色は入っています。実際のお二人を冒涜しない範囲で尊敬の念を持った上での脚色の部分です。まずこの物語を知った時に、彼のことだけを覚えてないなんて、そんなのあるのかと思いました。彼のことだけを覚えていないというのが、まさに事実は小説より奇なりです。例えばこれをフィクション作品として作ったとしたら、逆に嘘くさいと言われそうなんだけど、これは実話だからこそあり得ているというのがあると思うんです。そこがこの実話の不思議なところでもあるし、僕たちが惹きつけられる部分でもあります。ですから、この物語の中にフィクションは加えられていますが、それは、実話の精神性というか、魂を変えない程度のフィクション度です。
そして、この物語は二人の関係の物語です。二人の関係が変化していく、家族の関係が変化していく、周りの人たちの観る目が変化していく。そういう関係の変化の物語だと思うので、あまり主観的なものにはしないようにしました。僕たち撮影するスタッフが寄り添うように撮るのがいいと。二人に寄り添うように作っていく映画、だから主演の二人には自由にやって欲しいし、その中で生まれてくるものを僕たちが掬い取る。そういう意味ではこの二人のドキュメンタリータッチのようなものが生まれてきたと思います。

 

『8年越しの花嫁 奇跡の実話』は12月16日(土)全国ロードショー。

取材・文:筒井あや
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