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TENJIN TO IRO【vol.11】黄金色の稲穂から生まれる神秘の酒に魅せられて 利酒師・米岡秀星

2017年02月27日 08:00

1969年開業の西鉄グランドホテル。クラシカルな雰囲気で天神の顔でもあるこのホテルの地下に、酒の声に耳を傾ける人がいる。「利酒師」の資格を持つ米岡秀星さんだ。日本料理「松風」で働き、ワインのソムリエのように、飲み手の好みや料理との相性を汲みながら、おすすめの一杯を提供する。

「お酒の味わいや特徴を説明するのはもちろん、背景にある蔵や作り手のストーリーも織り交ぜながら、日本酒の魅力を伝えていきたいです」と米岡さん。どんな場所でどんな人物が作っているのか。一歩踏み込んだ話しができるのには訳がある。実は米岡さんは以前、お酒づくりに携わる蔵人だったのだ。福岡の「三井の寿」という日本酒を作る蔵に8年間勤め、日本独自の米から生まれる酒づくりの神秘的な魅力を身をもって感じたという。そして「お客さまにもっと近い距離で、この文化を広めていきたい」という思いに駆られ、利酒師の資格を取得。「松風」のホールに立つことになった。

季節に合わせて約20種の日本酒をセレクトし、飲み頃かどうか、状態をチェックしたり、新酒の出来を確認するために、テイスティングを行う。まずは香りで最初の印象を、口に含んで甘味・酸味・苦味のマトリックスを頭に描く。「どんなお酒を望まれているか」、その要望に沿うためのデータ作り、分析を怠らない。そう聞くと日本酒は難しそうに思われるかもしれないが、楽しみ方は人それぞれ、自由でいいと米岡さんは提案する。「ジャケ買いでもいいんです。気に入ったラベルのものをまずは飲んでみる。そこから気軽にはじめてもらって、私たちがちょっとした知識やエピソードを添えることで、味わいを深めてもらったり、記憶に残していただければとても嬉しいですね」。

料理長厳選の食材を使用した日本料理に加えて、ホテル内のフレンチや中華料理などジャンルを越えて、料理と日本酒のマリアージュを探っていきたいと目を輝かせる米岡さん。今後は初心者にもツウの人にも楽しんでもらえるようなイベントも企画していくそうだ。
稲穂の輝きを酒器を通して見せてくれる人。黄金色から始まる日本酒の神秘の物語を聞けば、今宵の酒はきっと特別なものになる。



「SSI(日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会)」認定の利酒師の資格を持つ米岡さん。蔵人の経験を生かし、様々な知識と人脈で日本酒の面白さを多方面から伝える。



地酒をはじめ多種多様な日本酒をセレクト



天神西通り沿いに立つ西鉄グランドホテルは、創業47年を超える歴史あるホテル。変わりゆく街並みの中にあって、変わらず天神を見守り続けている。



思わず、「へ〜」と唸るような豆知識や、専門的な製造のイロハ、さらに作り手の人柄や土地のこと、様々な話を耳にするうちに、「飲んでみたい!」という気持ちに。初心者にもわかりやすく説明してくれる。



試飲して心からすすめられるものだけをセレクト。飲み方の提案もするが、固執しすぎないのが米岡さんの信条。「こんなお酒を飲んでみたい」という気持ちに寄り添うことが大切だ。日本酒の可能性を知るからこそ、フレキシ



市場で料理長自ら仕入れてくる鮮魚が自慢の日本料理店。カウンターのあるホール席「大名蔵」では、日本酒の利き酒セットとつまみで、気軽なひとり飲みにも対応する。「日本酒は米岡さんに任せれば安心」との声が励み




 

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