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映画トピックス

超個人的見解で選ぶ「2016公開映画 至極の5本」《洋画編》

2016年12月29日 12:00 by 筒井あや

今年も浴びるほど映画や舞台、ライブを観た一年でした。トータルで250本を超えた辺りから数えるのを止めてしまいましたが…。そこで、2016年に公開された映画で、私が観た作品の中から、至極の5本を選んでみました。「これ、映画館の大スクリーンで観てホントよかった!」と映画の醍醐味を感じられた作品をご紹介します。

「え?これ観ておいた方が良かったの?いつか観ようと思ってたら終ってたんだよね…」と後悔するも良し、「この人、なんか趣味が偏ってない?」と思われるも良し、とにかく観てよかったんだよ、マジで、と思える作品を《洋画編》と《邦画編》に分けて、思いのたけをぶつけていきます!

それでは、始めますよ〜!

★ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 11月23日公開 ★

先月公開されたばかりなので、記憶に新しいですよね。あの『ハリー・ポッター』シリーズの原作者、J・K・ローリングが映画の脚本に初参加したことでも話題になりました。物語は、不思議な生き物たちが詰まったトランクを手にイギリスからニューヨークに渡った魔法動物学者・ニュート・スキャマンダーが、そのうち数匹を街に逃がしてしまったことから始まり、アメリカを舞台に魔法動物学者と仲間たちが巻き起こす旋風に興奮するというもの。
そしてこの映画で、主役のニュート・スキャマンダーを演じるのは、全世界でアイドル的人気を得ているオスカー俳優・エディ・レッドメイン。この人のポテンシャルの高さを、映画『レ・ミゼラブル』で発見し、『博士と彼女のセオリー』でオスカー受賞の時は、そりゃそうだろ!と納得し、そして『リリーのすべて』では、やっぱ天才や!!と思っていたところに、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』の主役です。あの上から目線の物言いが鼻に突くJ・K・ローリング女史でさえ、太鼓判を押すほどの実力。もちろん実力だけじゃなくハイブランドでモデルを務めるほどのルックスと、パパは銀行の頭取というセレブ一家で育ち、英国名門のケンブリッジ大学卒というエリート、神様にいくつ贈り物をもらったんだ!?という経歴の持ち主。その彼が、魔法動物をこよなく愛すが人間との付き合いはからっきし苦手というまさに研究者的体質の学者を、見事に演じきっています。ま、私の個人的趣向がかなり強めにでてますが、映画はそれだけではない!

登場する魔法動物のキャラクターも、美術も丁寧に美しく、そして妥協無く作られている。どれをとっても文句無しです。実はこの映画3回観ました。中でも感動するほど楽しかったのは3D IMAX!そもそも3D IMAX用に作られている映画なので、観ているというよりは、映画の中にすっぽり入って行けちゃうのです。その感動たるや。。。筆舌に尽くし難しとはまさにこのこと。これは絶対、映画館で観るべき作品です!

 

★ルーム 4月8日公開 ★


©ElementPictures/RoomProductionsInc/ChannelFourTelevisionCorporation2015

エマ・ドナヒューの小説「部屋」をレニー・アブラハムソン監督が映画化。7年間も密室に監禁された女性が、そこで生まれ育った5歳の息子のため命懸けで脱出に挑み、長い間世間から隔絶されていた彼らが社会に適応していく物語。

とにかく母親役を演じているブリー・ラーソンの演技が素晴らしい!としか言いようがない。10代後半の多感な時期から監禁され、そこで望まぬ形で母親になるのだが、惜しまぬ愛情で息子ジャックを育てる。監禁された部屋から脱出し、家族へ再開するも失われた7年間という時間の大きさに押しつぶされそうになる。そこから社会復帰をしていく、という難役をまさに熱演して数々の映画賞を総なめにしたのだ。映画の演出も素晴らしく、観客をまるで監禁部屋を覗いているかのような気持ちにさせたり、息子のジャックが部屋を脱出した際には、ジャックの視線での初めての“外の世界”を見せる。観ている者も、ジャックの行動にハラハラドキドキしながら、どうかうまく脱出できますように!と思わず手を握りしめてしまうほどの緊張感。

母親を演じたアリシア・ヴィキャンデルの熱演も賞賛ものだが、息子ジャックを演じた子役ジェイコブ・トレンブレイもまた、天才的なのだ。生まれてから一歩も外に出たことのない子供が、初めて外の世界に触れた時の戸惑いや混乱を見事に演じきっている。この『ルーム』は、秀逸な脚本、監督演出、アリシア・ヴィキャンデル×ジェイコブ・トレンブレイという二人の天才的俳優たちの奇跡の化学反応が、ただの感動する親子愛に終らせず、喜び、興奮、不安、発見を丁寧にそして鮮やかにスクリーンに映し出した。これは名作です。

 

★シング・ストリート 未来へのうた 7月9日公開 ★


© 2015 Cosmo Films Limited. All Rights Reserved

監督・ジョン・カーニーの半自伝的ストーリー。舞台は1980年代のアイルランドのダブリン。さえない毎日を送っていた14歳のコナーが、恋をし、音楽に目覚め、友情を深め、家族の愛を知り成長していく姿を描いた青春ドラマ。この作品を観たら誰もが、青春の甘酸っぱさを思い出すはず!見逃せないのは、成長していく少年の姿だけでなく、80年代を象徴する、デュラン・デュラン、ザ・クラッシュ、ザ・ジャム、ホール&オーツなどのブリティッシュ・ロック、ファッション&カルチャー、そして当時のMV(ミュージック・ビデオ)がリアルに再現されているところ。

なんと主人公のコナーを演じたフェルディア・ウォルシュ=ピーロは、アイルランド全土で約6ヶ月に渡り数千人が参加したオーディションから選ばれた新人で、これが映画初出演なのだという。フレッシュで瑞々しい演技は、将来有望であろう片鱗をみせている。女の子へのひと目惚れからバンドを始めて、どんどん音楽にのめり込んでいく。恋もロックも同時進行だ。そうさせたのはきっと80年代という時代なんだな、と純粋に思える音楽映画。個人的に心に響いたのはコナーの兄ブレンダン(ジャック・レイナー)が弟コナーが音楽を始めた時に、器用にやろうとする彼に向かって言う「上手にやろうとするな!それがロックだ!」「Rock'n Roll is a risk(死ぬ気でロックやれ!)」という台詞。ミュージシャン志望でもバンドをやったことがあるわけでもないけど、なんか気持ちがグッとなる。

ちょっと心がキュンとなる青春映画なのだけれど、これは音楽映画なのでやっぱり映画館で当時のロックを聴きながら目の前にある物語を堪能するのが一番。個人的には、わが青春のザ・クラッシュを思い出しながら愛でておりました!

 

★リリーのすべて 3月18日公開 ★


©2015 Universal Studios. All Rights Reserved.

世界初の性別適合手術を受けたデンマーク人画家リリー・エルベと、その妻ゲルダとの愛を描いた伝記ドラマ。監督は『レ・ミゼラブル』のトム・フーパー。舞台は1926年デンマーク、今から80年も前、トランス・ジェンダーという言葉さえなかった頃に、男性として結婚しているにも関わらず、自分の内側に潜んでいた“本当の自分”に目覚め、自分らしく生きる道を選んだ実在の人物の物語。

主人公のリリー・エルベを演じたのは、大好き&演技上手過ぎるエディ・レッドメイン。そんなに好きなんかい!依怙贔屓め!と言われようとも、この難役をやりきった演技力の前では、誰もそんなことは言えないはず。主人公のリリーも難役なのだが、その妻ゲルダも自分の夫が、どんどん女性になっていき、彼への男性としての愛を人間的愛へと変化させていく(変化するのではなく、させている、のです)そこにある葛藤や苦しみを演じきったアリシア・ヴィキャンデルもブラボーもの。観ていて切ない!切ないんだよ。この映画に出てくる人は、誰一人として幸せになっていないような気がするけど、自分に正直に生きていくための決断や男女の愛を超えた人間がもつ感情の尊さを見せつけられるような映画だった。

スクリーンに映し出されるデンマークの美しい風景はもちろん、当時の病院の様子(これがまた、衛生的に大丈夫なのかな?こんな感じで手術して。。。と思っちゃう)など、画的にもみどころはたくさんです。

 

ペット 8月11日公開 ★


©Universal Studios.

人間たちの留守中に犬や猫や小鳥といったペットたちが、どのように過ごしているのかをユーモアたっぷりに描いた作品。マンハッタンのアパートメントに住んでいるケイティは主人公マックスの飼い主。マックスは彼女が新しく連れて来た雑種犬デュークとはギクシャクした関係を抱えている。ある日、散歩に連れて行かれた2匹がひょんなことから雑種動物たちの巣窟へ迷い込む。そこから海を越えての大冒険が始まる…。という、かわいい物語。

大好きだったのは、出てくる動物のキャラクターたち。改めて、今のアニメーションってすげえ!!と単純に驚いたのですが、そのキャラクターの描き方が人間さながらで秀逸。特にお気に入りは、ポメラニアンのギジェットちゃん。かわいい顔とフォルムなのに、なんとも男らしい!(女の子の設定)。

もちろん字幕版と吹替え版があるのですが、この吹替え版のキャスティングが動物のキャラにピッタリすぎて素晴らしい。特にギクシャクしているマックス&デュークの声を演じたバナナマンの二人がうまいんだ!声に性格が出る、ってこんな感じなのかしら?と思ってしまうほど。は〜〜〜。もう一回スクリーンで観たい。。。

 

 

ということで、2016年、個人的に観ておいて良かった5本をご紹介しましたが、みなさんはいくつスクリーンでご覧になりましたか?

もちろん、今回ご紹介した作品は一部を除いて、今はスクリーンで観ることはできませんが、何かの手段で観ることができるようなら、ぜひ観てみてください。(前提は、スクリーンで観て欲しい5本なんですけどね。。)

さて来年はどんな映画が観られるか楽しみです!明日は《邦画編》をお届けします〜!

取材・文:筒井あや
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