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10月22日(土)公開『バースデーカード』橋本愛さん、宮﨑あおいさん、𠮷田康弘監督インタビュー

2016年10月20日 12:00 by 筒井あや

橋本愛と宮﨑あおいが母娘役で初共演した映画『バースデーカード』。亡き母から毎年届くバースデーカードに励まされながら成長する少女とその家族の在り方を描いた人間ドラマ。

本作で主人公の紀子を演じた主演の橋本愛さん、紀子の母親役を演じた宮﨑あおいさん、脚本・監督を手掛けた𠮷田康弘監督にインタビュー。

――監督オリジナルの脚本を読まれた感想は?

橋本愛:純粋に面白いと思いました。そして自分が紀子ちゃんを演じる気持ちで読んだ時は、すごく可愛い子で大好きになり、やりたい気持ちが高まりました。脚本としてはとても会話が多いのですが、脚本に書かれている台詞が単にシーンや物語を運ぶための材料ということではなく、きちんと会話になって物語を繋いでいくというのが脚本からも感じられたのでぜひやりたいと思いましたね。

宮﨑あおい:亡くなってしまうお母さんにではなく、家族に比重を置いている台本だと感じました。物語の構成も、ただ観ている方を泣かせようとかそういう感じがしなかったのはいいなと。なので監督にお会いした時に「とても好きな台本です」という話をしました。

――監督はどのように脚本を書かれたのですか?

𠮷田康弘監督:最初にお話をいただいたのは2010年頃でした。プロデューサーが以前から知っていたノンフィクションの話を聞いて、家族の中の誰かが亡くなっていくのを見つめて行く話ではなく、残された子供が亡くなったお母さんと共に、バースデーカードを通して対話するようにいっしょに生きていくというコンセプトをもってよければやりたいとお返事しました。最初に初稿を上げたのは2010年〜2011年にかけてでしたが、その間に東日本大震災が起こったり、僕自身に子供が生まれたりして、親と子の形が亡くなってからも続いていくという映画を、今改めて作ることに意義があるんじゃないかと思いながら作りました。

――女性として、母と娘に共感する部分はありましたか?

橋本愛:母と娘という同性だからこそ起こる感情というのは誰にでもあると思います。ただ、完璧で優しいお母さんにはとうてい叶わないと思っていた紀子ちゃんが、バースデーカードを通して、母親の弱い部分や女性としてのもろい部分を知ることで母親との関係がより濃密になっていくんです。具体的に共感できる部分というよりは、演じる上で共感の気持ちを持ってやっていました。だから紀子ちゃんのことが大好きですね。

宮﨑あおい:自分が30歳になって、子供の気持ちもわかるし、親の気持ちもわかる年齢になってきた今、こういう役をやれるというのはうれしかったです。昔だったら解らなかったこともたくさんありますし、きっと女性なら誰しも共感できる役なのではないかなと思います。

――この映画で伝えたいことは?

橋本愛:撮影の前、監督とお話しした時に「母と娘のバディームービーにしたい」と仰ったんです。それは成功したら面白そうだなと思いました。でもその為には、お母さんと一番の強いパートナーになるということが条件だと思ったので、完璧な母子というよりは、ダメなところも二人で認め合って、亡くなって会えなくても手紙を通してずっと傍にいるというような関係性にしたいと思っていました。

宮﨑あおい:現場に入る前にこうなったらいいなということは、あまり考えてなくて、出来上がったものを観て、今思っていることは、生きていく中で大切な人の死というのは避けられないことで、その悲しみを、そこで留まってしまうのではなく、きちんと受け入れて、また人生を歩んでいく。そういうことかなと思いました。

𠮷田康弘監督:映画の中に「蒼氓(そうぼう)」という本が出てきますが、その言葉に以前から惹かれる部分があって辞書で調べると「普通に生きて、いつか死んでいく名もなき人」と出てきます。この映画ではお母さんが一所懸命生きて、という風に言い換えさせていただいていますが、僕は世の中の人みんなが「蒼氓」だと思うんです。名声を残して行く人は一握りだと思うので、それを静かに肯定する。ということを自分の中のテーマに置いていました。僕自身、親に対してもその人生を肯定してあげたいという気持ちがあります。なのでその普通の人生の中にも、きらめきや素敵な瞬間があるのだと、この映画で伝えたいなと思っています。

 

映画『バースデーカード』は、10月22日(土)よりT・ジョイ博多ほか全国にてロードショー

 

取材・文:筒井あや
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