グルメ | 新店舗オープン

チェルニアの姉妹店は、心がほっこりするような温かさが満ちる店

2016年10月20日 08:00 by 木下 貴子

3年前にオープンし、すぐに福岡の人気店に仲間入りした今泉のイタリアン「チェルニア」が、10月5日に赤坂に姉妹店をオープンしました。場所は大正通りから一筋入った裏通りにあるビルの1階。勝手にイタリアンと思いこんでうかがってみたのですが…何やら趣が違うようで、カウンターには日本酒が並びます。


 

「兄は、2店舗目は業態の異なる店を考えていたようで、それで、私に『やってみないか?』って声がかかったんです」とおっしゃる店主・畑麻由子さんは、「チェルニア」オーナーシェフ・畑亮太郎さんの実の妹さん。なんと名実共に「チェルニア」の姉妹店が誕生したというわけです。



↑前身は本屋さん。店舗は糸島の「ゴォデザイン製作所」に依頼しました。「少し近代的な要素を取り入れた古民家的なイメージをお願いしつつ、ゴリゴリの男性的な無骨さを取り入れてもらいました」と麻由子さん。そんな中にも、女性らしさがところどころに散りばめられています。

 

麻由子さんは東京で15年間、同じく「あかりや」という名前でお酒と食事をゆっくり楽しめる店をやっていました。店舗の老朽化により移転先を探していた時に、お兄さんから声がかかり、思いきって生まれ育った東京を離れて福岡へとやってきました。「東京以外の場所に住んだことがないのですが、そこに不安は感じませんでした。ただ、15年間お付き合いしてきた常連さんとお別れするのが、かなり寂しくて…」と麻由子さん。覚悟して東京を離れたものの、開店準備中は常連さんのことを思い出しては寂しくて「私、ここで何やっているんだろう」と思う日もあったそうです。それがオープンして程なく、「福岡の人たち人懐こいというか、みんなウェルカムな感じで接してくれ、あっという間にこの町が大好きになりました」と話します。

察するに、麻由子さんの活力の源は、「人」ではないでしょうか。話していても、その穏やかな口調と柔らかい笑顔に、人好きさを感じるし、またご本人も人に好かれるお人柄を醸しだしています。


↑名刺に描かれた麻由子さんの似顔絵。まさに、こんな素敵な笑顔の持ち主です。

 

肝心のお料理は、「東京で始めた時と変わらず、お友達が家に遊びに来た時にふるまうような料理の延長です」。メニューには「本日のお浸し」(500円)、「由子さんのぬか漬(かくや)」(450円)、「ししゃも南蛮漬け」(480円)、「あじのなめろう ミツル醤油のもろみのせ」(850円)、「豚汁ご飯セット」(650円)というようなお手製料理が並び、野菜、一品、肉、魚、おつまみ、ごはんと一通り揃います。定番と旬の料理は半々という具合。


↑「自家製ピクルス」(500円)。


↑「あかりや特性煮込みハンバーグ」(1ヶ500円・2ヶ950円)。


↑「若鳥唐揚げ 山椒風味」(1ヶ250円、注文は2ヶから)。
 

お酒のメインは、純米酒とナチュラルワイン。自身が好きということもあり、お酒は熱燗で楽しんでもらえるものを中心に、ワインは兄の亮太郎さんセレクトによるものです。

 

ところで上でご紹介した麻由子さんの似顔絵、なんとなく見覚えありませんか?実はこの絵を描いたのは、漫画「深夜食堂」の作者・安部夜郎さん。店のロゴも安部さんによるものです。安部さんは東京時代の「あかりや」の常連であり、漫画でも麻由子さんの料理が掲載されたこともあります。その料理「深夜食堂の長いものソテー」(500円)と、漫画のレシピを再現した「深夜食堂の豚汁」(小400円・大600円)もメニューに入っているのです。


 

ここは「深夜食堂」ではないけれど漫画と似たような、ほっこりした空気感。麻由子さんも、料理も、お店全体にわたって、「あかりや」という名が体現されているようです。「福岡の人たちに愛され、東京の人たちも再び遊びにきてくれるような店にしたい」。その希望が叶う日は、すぐに訪れるに違いありません。

取材・文:木下 貴子
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プレイス情報PLACE

町屋 あかりや

住所 福岡市中央区赤坂1丁目10-7 スコーレ赤坂1F
TEL 092-781-1388
営業時間 18:00~24:00
定休日 日曜
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