グルメ | 新店舗オープン

調味料を極力使わず、技と工夫で、素材本来の味と季節感を

2016年08月17日 12:00 by 木下 貴子

近頃、動きの目立つ西中洲に、また新たに注目の店舗が登場。薬院の「大人のごちそう 周」が8月2日、店名新たに『日本料理 ながおか』として西中洲にオープンしました。




↑メインとなるカウンター席では、一連の料理の流れを目で見て楽しめます。個室は2名から。4名・6名用の部屋があり、2室をつなげて最大12名までの利用が可能です。
 

「周」では野菜料理や「自家製からすみ」といった珍味を中心に供していた、店主・長岡周吾さん。その料理スタイルは大幅には変わりませんが、『ながおか』では「これまで以上に季節感を味わっていただけるように」と、料理の品書きを「季節のおまかせコース」(10,800円)1本に絞り、四季折々の表現で料理を味あわせ、楽しませてくれます。

コースは10品で構成され、最初にお粥が出されます。このお粥は「胃を温めてもらいたい」という心遣いの一品であり、また、長岡さんの料理スタイルを象徴する一品でもあります。「塩なども使わない、お米とお出汁だけのお粥です。はっきりとした味にはなりませんが、ここから何だろう?と深く感じてもらう始まりになれば」。


このように長岡さんは全体にわたって調味料を極力控え、素材の本来の味を伝えてくれます。野菜は自然に近い栽培をしている農家と契約し、昔ながらのアクの強い野菜を積極的に使用。「本来アクというものは手を加えたら旨味が増すものなんです」。例えば、油で軽く炒めた後にゴボウのアク汁で炊いたゴボウなどは、他に味付けは一切されていないのに優しい甘味口に広がり、またゴボウ本来の香りも豊かです。

コースではお粥のほか「自家製からすみ3種」「土鍋ご飯」「出汁巻き玉子」「ゴボウ餅」が定番の品として入りますが、それ以外は月替わりで野菜も魚介も旬の食材を使った料理を出します。この8月はかき氷のような出汁でそうめんのように野菜をいただく料理が登場するなど、夏にふさしわしく爽涼感も演出。気になるメインディッシュには、毎月季節感たっぷりの小鍋を提案していきます。





↑写真は「季節のおまかせコース」からの一例。

昨年10月にミラノ万博に参加した長岡さんは、そこで外国人の和食料理人とともに、世界における日本料理のポジション、未来について考える機会を得ました。「日本料理を世界の視点で捉え、福岡から発信したい」というのが、今回、移転を決めた大きな理由の一つでした。地元の人をはじめ、県外、外国の方を含め日本料理の手技を見ていただくため、料理の説明はもちろん調理・盛付けも包み隠さずすべてカウンターで施します。また、近い将来、外国人の和食料理人たちに短期滞在してもらう計画もあり、彼らを通して世界に本当の日本料理を広めていきたいとも考えています。「そのためにも広い店が必要でした」と長岡さん。



↑ミラノ万博から半年後の5月。ヨーロッパでの旅で知りあったフランス・ブルターニュの鮨職人を福岡に招き、「周」でコラボレーション・イベントを開催しました。

 

西中洲という福岡屈指の食エリアで、勝負する。その根底に、食材本来の味を伝えたいという情熱とともに、日本料理の世界水準の底上げに力を注ぎたいとの使命感がありました。季節で移ろう料理とあわせて、長岡さんの展望にも大いに期待が高まります。

取材・文:木下 貴子
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プレイス情報PLACE

日本料理 ながおか

住所 福岡市中央区西中洲3-20 連ラウンドビル1F
TEL 092-406-9181
営業時間 17:30~23:30
定休日 日曜
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