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『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』で、初の現代劇に挑戦!思念を読み取る特殊能力を持った男を演じた狂言師・野村萬斎さんインタビュー

2016年03月29日 18:00 by 筒井あや

4月29日(金・祝)に公開となる『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』は、古沢良太が書き下ろし、金子修介が監督を務め、狂言師・野村萬斎が初の現代劇に挑戦し話題を読んでいる作品。物や場所に残った人間の記憶や感情など“残留思念”を読み取れる元お笑い芸人・仙石和彦(野村萬斎)と、かつて彼とお笑いコンビ“マイティーズ”として一世を風靡した相方の丸山竜司(宮迫博之)が、思わぬ事から事件に巻き込まれていく様子を描いたミステリー。

主演で残留思念(物や場所に残った人間の記憶や感情など)を読み取ることができる特殊能力を持った男・仙石和彦を演じた狂言師・野村萬斎さんにインタビュー!

■特殊な役どころをどう捉えましたか?
特殊能力を持っている男が、人間の閉鎖性から始まって、だんだん社会性を獲得していき、社会復帰するという物語ですが、なんとなく曇った心がだんだん晴れていく、というイメージを全体の中では持っていました。僕自体も特殊能力はないですが、特殊技能は持っていますから(笑)そういう狂言や能のテクニックという特殊性と世の中というものをどんな風に考えているか、ということを思うと何となく気持ちは通じました。特殊性の中から這い上がっていくというか、解放されていくという男のイメージで演じさせていただきました。

■演じてみていかがでしたか?
僕は普段、能・狂言の時には能舞台という特殊な場所で、型という特殊な技能を使って演じるわけです。無いものをあるように見せるというのは、僕の技能でありますが、今回は、その型を封印することで内なる充実感というものを出さないといけないなと思っていました。仙石がいくら人間嫌いだと言っても、鬱々としているよりは、社会を単にシャットアウトしていて人を信じていないという感じにしたかったので、そういう心持ちを大事にしました。ついつい舞台に立ってしまうと、背筋を伸ばして狂言のスタイルになってしまうので、それをしないようにね(笑)

■古沢さんの脚本を読まれての感想は?
事件が積み重なっていく過程をテンポ良く書かれているので、さすがだなと思いました。引きこもっている人間を描こうとすると、見ている方も重くて鬱々としちゃいそうなニュアンスを持ってしまいますが、非常にコミカルになっていて面白かったですね。それとは別に、人間が生きている証明をするということが、作品の肝かなと。特殊能力があろうとなかろうと、自分が生きているということを誰かに認めてもらいたい、生きている実感とはそこにあるんじゃないかと。やはり世の中に何かの形で認めてもらうということが仙石の社会復帰の一歩だと思いましたね。


『スキャナー 記憶のカケラをよむ男』は、4月29日(金・祝)からT・ジョイ博多、UCキャナルシティ13 ほか全国ロードショー

取材・文:筒井あや
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