映画トピックス

【洋画部門】年末だから勝手にやっちゃいます!2015年「勝手にアカデミー賞!」

2015年12月31日 12:00 by 筒井あや

「邦画部門」いかがだったでしょうか?と言ったところで、お前は何者だ!?と思われた方も多いかもしれません。概ね私の仕事は、舞台、映画、時に音楽ライブを観ては書き、書いては観る。そしてたまにおもしろい舞台やイベントを呼んできたり企てたりもします。いわゆる趣味を仕事にしたヤツってことです。

ということで、昨日も書きましたが、公私含めて今年、劇場で観た映画214本の中から、“フツーの感覚”で、勝手にアカデミー賞を決めちゃおう!というものです。昨日の【邦画部門】に続き、【洋画部門】を発表しま〜す!

しつこいようですが、超個人的な趣味趣向が多分に入っていることを考慮の上、聖母マリアのような広い心で受け止めてください。


【洋画部門】
とにかく公開数が多い!ハリウッド作品からミニシアター系の作品まで、ありとあらゆるラインナップ。これこそ、何を観ていいか解らない感じですが、そんな中、感じたのは日本映画が、コミックや小説原作、テレビシリーズの映画化などが多い中、事実をもとに作られた作品というのが、私が観た中では多かったな〜という印象です。私は映画を観る時に、予習はしませんので真っ新な気持ちでスクリーンに向かいます。なので、見終わった後に事実を元にした作品だったと気づくことがほとんどでした。そして改めて気づいたのは、イギリスは芝居が巧い俳優が豊富にいるんだ、ということ(きっとここら辺が趣味趣向)。素晴らしい俳優たちにたくさん出会った年でした。
 


 

 

 

 

 

(C)2015 Twentieth Century Fox Film Corporation


《作品賞》
『キングスマン』(2015年5月16日公開)

監督は『キックアス』のマシュー・ヴォーン。エリートスパイが、ブルーカラーの若者を一流のスパイに育て上げる、スパイアクション映画。主演はコリン・ファース。
表向きは高級紳士服店だが、実は世界最強のスパイ組織の『キングスマン』。組織の一員で、ブリティッシュ・スーツを美しく着こなすハリー役にコリン・ファース。組織に欠員がでてしまったため、新人としてスカウトしたのが、タロン・エガートンが演じるエグジー。様々な試練を乗り越えてエグジーは一流のスパイになっていく。という単純明快なストーリー。

映画全体としては、もうお腹いっぱいです!というくらい、ありとあらゆることがてんこ盛り。スパイの訓練は、そんなこと起こったら一発で死んじゃうよ!と思うような過酷かつデンジャラス。さらに機転が利く判断力を必要とする難問ばかり。そしてスパイになれた暁には、007よろしく、ジェントルマンのスーツの中には、ありとあらゆる武器を隠し持ち、それらを見事に、かつ無駄なく使いこなす。無駄のない動きが美しくすら見える。

スパイもスゴけりゃ、戦う相手もまたすごいヤツらばっか。両足の義足が切れ味抜群の刃物になっていて、回し蹴りしちゃあ人の首を落としていく美女の殺し屋が登場したり、ITの寵児でエコを考えすぎて、一周まわって悪党になってしまったテロリスト・・・などなど。これだけでもお腹いっぱいでしょ。

エリート・スパイ役のコリン・ファースはもちろんカッコイイのだけれど、私が目を離すことが出来なかったのは、エグジー役のタロン・エガートン。新人の俳優なのですが、ブルーカラーの若者から、一流スパイに変貌していく様は、素晴らしかったですよ。身のこなしはもちろん、目つきまで変わってくる。見終わった後に、「誰?誰?エグジーやってたの誰???!!」と思わずググったほど。実はこの映画、3回観ました。好きすぎて。何度も観たくなるこの感じなんだろう?と考えた結果、あの美しい武器捌きと無駄のない完璧な動きに、清々しさすら感じていたのでは?と。だって、これ書いている今でも、もう一回観たいと思ってるからね。これは文句なしの今年1番です。

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

(C)2014 Universal Pictures


《主演俳優賞》
エディ・レッドメイン/『博士と彼女のセオリー』スティーヴン・ホーキング役(2015年3月13日公開)

『博士と彼女のセオリー』は、理論物理学者のスティーヴン・ホーキング博士と元妻であるジェーン・ホーキングの関係を描いたヒューマン・ドラマ。ホーキング博士は、若くしてALS(筋萎縮性側索硬化症)を発病し、医師から余命2年と宣告される。段々と、症状が悪化し、身体が思うように動かなくなるも、最先端の研究に励み続ける。ホーキング博士を演じたのは、エディ・レッドメイン。ビジュアルも博士に似過ぎていて、ちょっとビックリしたのだけれど、病状がだんだんと悪化していく様、研究が認められないジレンマ、自分自身の折り合いがつかない演技は、芝居をしているとは思えない、本当にホーキング博士を身近で見ているような感覚にさえなってしまうほど。映画を見終わって、いつものごとく気になった俳優としてリサーチしていたところ、『レ・ミゼラブル』のマリウス役の人だ!と知って、ホントに驚いた。だって、ぜんっっぜん違うんだもん。しかも『レ・ミゼラブル』は大好きすぎて、日常的に観ている映画だったにも関わらずわからなかった、というショック。すごい!エディ・レッドメインすげーーー!と頭から離れないので、今年は彼に栄冠を。

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

(C)2014 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved. Photo Credit: Tony Rivetti Jr.


《主演俳優賞》
トビー・マグワイア/『完全なるチェックメイト』 ボビー・フィッシャー役
(2015年12月25日公開)
※どうしても主演がもうひとりいるので。洋画は助演ナシってことで。

『完全なるチェックメイト』は、伝説の天才チェスプレイヤーのボビー・フィッシャーの半生を描いた伝記ドラマ。米ソが世界を二分していた冷戦時代、アイスランドで開催されたチェスの世界王者決定戦は、両国の威信をかけた“知”の代理戦争として世界中の注目を浴びた。24年間王者を保持してきたソ連に対し、挑戦した若者は、IQ187の天才にして稀代のクセ者、アメリカのボビー・フィッシャー。“神の一手”で、歴史を動かした。ボビーを演じたのは、『スパイダーマン』シリーズのトビー・マグワイア。

若い頃から、突飛すぎる思考と予測不能な行動を起こし、変人と言われたボビーを、まさに常軌を逸する芝居で、見事に嫌〜なヤツを演じきっていた。だけど、ただの嫌なヤツではなく、全てはボビーにはボビーの理論があっての行動だということを、大きな演技で見せるのではなく、目つきや指先、足先の小さな動きで表現する。あ、この人『スパイダーマン』みたいな大盤振る舞いみたいな演技よりも、こっちの方が格段にいい!と思ったのです。戦争なんて知らねーよ!俺はチェスで勝つだけだ!という感じがスクリーンからひしひしと伝わる。ブラボー!です。

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

Photo credit : Shayne Laverdiere
(C)2014 une filiale de Metafilms inc.


《視聴覚効果賞》
『Mommy』(2015年5月15日公開)

カナダのグザビエ・ドラン監督作品。なんとまだ26歳の若き俊英。
「2015年、カナダで新しい法案が可決する。発達障がいの児童を持つ親が、児童の養育に関して、経済的、精神的に困難になった場合、養育を放棄、児童を施設に入れる権利がある」というもの。シングルマザーとADHD(多動性障害)を抱えた息子の愛と葛藤を描いたヒューマン・ドラマ。

母親役ダイアンはアンヌ・ドルヴァル、息子スティーブ役はアントワン=オリヴィエ・ピロン。

実は、この映画はオアシスが好きなら観てみて。と薦められて観た作品。驚いたのは、真四角の映像サイズ。普通のスクリーンサイズよりも格段に映し出される範囲が狭まるため、集中度が高まる。最初は慣れなかったけど、すぐに映画の世界に入っていってしまう。そして印象的だったのは、音楽。劇中のエピソードと併せて、オアシスの「ワンダーウォール」、ヴィヴァルディの「四季」、シューベルトの「野ばら」などが流れる。特に「ワンダーウォール」のシーンでは、スティーブの母親への想いと、歌詞がリンクする。“音楽に包まれている”感覚を得る、という体験をしたのはライブ以外では初めて。

 

取材・文:筒井あや
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