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働く女性にこそ観て欲しい、ロックでフレッシュな時代劇『百日紅』原恵一監督インタビュー

2015年05月05日 18:00 by 筒井あや

江戸風俗研究家で文筆家や漫画家、05年に逝去した漫画家・杉浦日向子の名作「百日紅」を、「カラフル」「河童のクゥと夏休み」の原恵一監督が長編アニメーションとして映画化。浮世絵師・葛飾北斎の娘で、同じく浮世絵師として活躍した女性・お栄が、父・北斎や妹、仲間たちとともに生きた姿を、色鮮やかな江戸の町の四季折々の情緒を織り交ぜながら破天荒な絵師たちの姿を描く。
杉浦日向子を敬愛してやまないという原恵一監督が来福し、原作への思いや作品について語っていただきました。

◆杉浦作品について
杉浦さんは漫画という表現を使って作品を作っていましたが、僕からみるととても優れた演出家だと感じるんです。僕も演出をする人間として、杉浦さんの演出力にずっと憧れていて、かつ嫉妬もしていたんです。なんて憎い演出をする人だろうと。エピソードの切り方、シーンの切り方が絶妙なんです。全てを見せるということをせずに、むしろ不親切なくらいあっけなく終わらせたりする。でもそれは不親切ではなくて、余韻。それによって丁寧に描くことよりも作品自体の奥行きを深くしてくれる。そういう杉浦さんの演出に僕はずっと影響を受けていて、今までの自分が作る作品にもその影響はかなり現れていると思います。

◆お栄の役を杏さんにお願いされたのは、最初にイメージされたのですか?
最初に思い浮かんだのは杏さんでしたね。以前見たドラマで、杏さんがとても印象に残っていて。勝ち気でぶっきらぼうで、男勝りでかと思えば恋に臆病で妹にはやさしい。そういうことを考えた時に浮かんだのは杏さんだったんです。杏さんにお願いして、間違ってなかったとアフレコの時に思いました。彼女は知的だし、落ち着いていて、かつ気さくで腹が据わっている女性で、お栄そのままのような女性でした。

◆エンディングテーマを椎名林檎さんにお願いしたのは?
椎名さんに関しては女性のプロデューサーが椎名さんがいいんじゃないかという提案をしてくれて。
でも日本語のロックでということはお願いしていたんです。だから思ったとおりの仕上がりだったと思いました。なぜロックなのかというと、杉浦さんがロックが好きだったんですね。江戸の漫画を描きながらよくロックを聴いていたらしいんです。それにお栄という女性もロックな女だと思ったんです。それに杉浦さんが椎名林檎さんの曲をよく聴いていたと聞いたので、縁を感じました。

◆見てくださる方に、何を受け取って欲しいですか?
今回僕にとって、初めて大人の女性が主人公の作品です。なので、お栄に近い年齢の大人の女性たちに見ていただきたいですね。時代劇ではありますが、働く女性を描いている映画なので、お栄が、仕事に向かって感じる壁とか恋とか家族との関係とか、それは現代の女性たちにも共感してもらえると思いますし、時代劇ということで敬遠しないで観に来てくれれば、きっと共感してもらえると思いますし、楽しんでもらえるし、満足していただける自信はあります。ロックでフレッシュな時代劇という感じですね。

■『百日紅 〜Miss HOKUSAI〜』

【あらすじ】
浮世絵師・お栄は、父であり師匠でもある葛飾北斎とともに絵を描いて暮らしている。雑然とした家に集う善次郎や国直と騒いだり、犬と寝転んだり、離れて暮らす妹・お猶と出かけたりしながら絵師としての人生を謳歌している。今日も江戸は、両国橋や吉原、火事、妖怪騒ぎ、など喜怒哀楽に満ちあふれている。恋に不器用なお栄は、絵に色気が無いと言われ落ち込むが、絵を描くことはあきらめない。そして、百日紅が咲く季節が再びやってくる、嵐の予感とともに・・・。絵痔日四季を通して自由闊達に生きる人々を描く、浮世エンターテインメント!時を超えて現代へ紡がれる人生賛歌。

【公開】2015年5月9日(土)よりTOHOシネマズ天神本館・ソラリア館、TOHOシネマズ福津、シネプレックス小倉ほかにて
【オフィシャルサイト】http://sarusuberi-movie.com/index.html


©2014-2015 杉浦日向子・MS.HS/「百日紅」製作委員会

取材・文:筒井あや
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