グルメ

カレーリレー/アンカー【Tiki】本当は誰にも教えたくない隠れ家カレー

2013年08月01日 12:00 by 山田 祐一郎

小学校からの帰り道、友人たちとたまに通学路から一歩入った路地に入りました。ネコを見つけたら枝を持って追い回し、落ちてる木の実を拾ってはぶつけ合い、制服を着たカップルがいると「チューしたとー」と言って逃げた。一歩奥まった場所に行くだけで、思いがけないものに出会えたし、ちょっと大人になったような気もしました。

中学、高校、大学と進むにつれ、その記憶はすっかり薄れていきましたが、24歳で働き出した編集プロダクションの社長から「行き帰りで同じ道は通るな。必ず行きがけと別の道を通って帰りなさい」と言われ、その頃の記憶が鮮明に甦りました。これは「常にアンテナを張っていなさい」という意味で、それからというもの、路地裏を見つけては入るようになりました。
そんな路地裏でピンとくる店は決まって小さくて目立たない。ただ、どこか尖っていて、ゆるやかな時間が流れていて、時代に流されることなく堂々と佇んでいる。「Tiki」もそうでした。

大丸の通り向かいにある春吉へ抜ける細い路地に「Tiki」はあります。見つけた瞬間、すでに前から知っていたかのように好きでした。築半世紀ほど経つという古民家を店主自ら改装。店に入ると、天神のど真ん中だというのを忘れてしまいます。1Fと2Fで表情が異なり、1Fはカウンターだけのこじんまりとした空間。2Fは一転して、広々とした空間に席がゆったりと配してあります。いつも1階のカウンター席に座り、のんびりとカレーを待つ。
メニューは「スパイシーチキンカリー」、「キーマカリー」のみ。注文が入ると店主はフライパンを片手に黙々とカレーを作り出します。とても気さくな店主ですが、カレーの調理中はなんだか声をかけにくい雰囲気に。たちどころに刺激的で、甘美で、それでいてちょっと苦みのある香りが辺りに漂います。時折聞こえる調理器具の当たる金属音もスティールパンの音色のように心地よく、ぼんやりまどろんでいるうちに完成。込み合っていても待ち時間が苦になりません。

お気に入りの「スパイシーチキンカリー」は端正な佇まいの美人顔。ややとろみのあるカレーの中央にはチキンがごろりと転がっていて、「Tiki米」と名付けたパラパラのジャスミンライスの上にパクチー、そして脇にはライムが添えられています。辛さはタイ産の青唐辛子「プリッキーヌ」で調整。1、2本加えるだけでも随分と刺激が増します。濃密なコク、舌に突き刺さる辛さを伴った旨味の波が一口ごとに押し寄せ、食べ進めるほどに、次の一口がほしくなる。途中、ライムをしぼると清涼感が加わり、味わいは軽やかに。食後にサービスされるアイスでクールダウンすれば、すっかり幸福感に満たされます。

もう一つ言うと、ここで飲む食後のアイスコーヒーもまた、たまらなく好きです。心地よい空間と好みのカレーの余韻に浸りつつ、ほろ苦い液体を流し込む。ここが知る人ぞ知る「路地裏」だと思うと、いっそう格別なのです。

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【1】スパイシーチキンカリー700円。ルウには添加物の類いは一切使っていません。【2】1階の様子。食後のアイスコーヒーはお好みのカレーに+100円。【3】一見すると民家のようで、カレー店には見えません。バトン、しっかりつなぎましたよ。

取材・文:山田 祐一郎
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プレイス情報PLACE

TiKi(ティキ)

住所 福岡市中央区渡辺通5丁目24−38
TEL 092-738-2008
営業時間 11:30〜カレーがなくなり次第終了
定休日 不定
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